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PATをさがせ!!

PATをさがせ!!

どんなものが“とっきょ”なんですか?

わたしたちの知っているものがありますか?

そうだね、君たちの身の回りにも、いろいろな“とっきょ”があります。たとえば、キッチンへ行けば、いっぱいインスタント食品がありますね。なかでも、みんながよく食べるインスタントラーメン。じつはインスタントラーメンの歴史は“とっきょ”とおおいに関係があるんです。

それならうちにもあります。ふくろに入ったものやカップ入りのものなどいろんな種類があります。でも、ふつうの食べ物だと思うけど…。

そう、いまでは世界中で916億食(*)もつくられている、とても人気のある食べ物です。でもインスタントラーメンは、50年ほど前に(1958年)、8年もかけて日本人が発明はつめいしたものなんです。お湯をそそいで、すぐに食べられる、長いあいだ保存ほぞんできる…こんな便利なものはそれまでなかったんです。発売したら、すぐに品切れになるくらい、たくさん売れたそうだよ。
(*)社団法人日本即席食品工業協会の統計による2006年度データより。

当然、“とっきょ”をとっていたわけですね。

ところが、インスタントラーメンをつくるのにいそがしくて、実はとっていなかったんだって。

“とっきょ”をとらなかったらどうなるの?

つくればつくるだけ売れる人気商品だから、とうぜん他人がマネをします。商品の名前から、袋のデザインまでよく似たものがたくさんつくられてしまったわけ。しかも味は本物とちがってまずい…。

だれもインスタントラーメンを食べなくなる!

そうです。「インスタントラーメンはまずい」といううわさがたったら、だれも買わなくなりますね。せっかく苦労してよい商品をつくっても、売れなくなってしまいます。信用を失うのが、いちばんこわいことなんです。

ええ、どうなっちゃうの?

そこでようやく、インスタントラーメンのつくり方についての“とっきょ”と、他人がかってに同じ商品名を使えないようにするための商標権しょうひょうけんをとるための手続をしました。

ニセモノをやっつけて、めでたし、めでたし、ですね。

でも、インスタントラーメンを発明はつめいした人は、ニセモノづくりのメーカーはやっつけたけど、“とっきょ”をとったインスタントラーメンのつくり方を公開してほかのメーカーでもつくれるようにしたんです。もちろん、マネばかりせず、自分で努力して研究する優良ゆうりょうなところにたいしてだけど。

あれ、それってへん。せっかく“とっきょ”をとって利益をひとりじめできるのに、どうして他人につくり方の秘密ひみつを教えるの?

たしかに“とっきょ”は、他人がマネをすることをゆるしません。でもその発明家はつめいかは、1社だけでつくっていても、発展はってんはないと考えたんです。なんといってもインスタントラーメンは、それまでだれもつくったことのない、まったく新しい食品だから、大切に育てて、多くの人たちに食べてもらおうと思ったんでしょう。その願いどおり、さまざまなメーカーが競争して、めんのつくり方ばかりでなく、容器や包装(ほうそう)方法までよりよいものをつくってきたからこそ、今のようにいろいろな種類のインスタントラーメンがたくさん世界中に広まったんです。

そうか、ひとりじめばかりしていてもいけないのか。

永遠にひとりじめをしていたら、競争がなく、進歩しないところから、“とっきょ”には出願してから20年という期限があります。“とっきょ”で発明家はつめいかがした発明はつめいを守ることも、競争することも、どちらも世の中の進歩には大切なことなんですね。

ふーん、車をスムーズに走らせる信号機のように、“とっきょ”も青になったり、赤になったりするんだ。ふだん食べているインスタントラーメンも、いろんな人たちの知恵ちえと工夫で走ってきて、今があるんですね。