特許出願等援助制度とは、優れた発明、考案又は意匠の創作(以下「発明等」という。)の擁護に資することを目的として、特許出願、実用新案登録出願又は意匠登録出願及びこれらに関連する手続(以下「特許出願等の手続」という。)を行おうとする者に対して、日本弁理士会が援助する制度です(会令第23号第1条)。なお、外国出願は、援助対象となりません。
本制度は、公的な援助制度ではなく、日本弁理士会会員である弁理士が拠出する会費による予算の範囲内で実行される援助制度です。援助をすべか否かの審査は日本弁理士会がします。当該審査の結果に対する不服申立はできませんので、ご留意願います。
なお、本制度及び具体的な運用等は、日本弁理士会の都合により予告なしに改訂される場合があります。
申請受付期間:7月1日(水)~9月30日(水)
審査期間:10月~11月
援助決定:12月~
下記の要件を満たす発明等が援助対象となります。
申請書に記載された援助を求める発明等が少なくとも審査時において「有用性のある発明等であって、新規事業の創出等、何らかの形で社会に貢献する可能性が高く、かつ特許等になる蓋然性がある」こと。
このため、少なくとも審査時において、当該発明等が新規なものである必要があります。なお、新規性喪失の例外の利用をした出願は援助の対象となりません。
援助の対象となる者(申請者)
(1)個 人:対象となる発明等をした個人のうち、特許出願等の手続費用を支払うと生活が脅かされる場合。
(2)中小企業:対象となる発明等をした企業のうち、特許出願等の手続費用を支払うと会社の経営が困難になる場合。又は、設立から7年以内であって、直近の年間純利益が500万円を超えない場合。
(3)大学、TLO:対象となる発明等をした大学、TLOのうち、特許出願等の手続費用を支払うことが困難な場合。
(1)援助の内容
特許出願等の手続に要する費用(弁理士報酬及び特許印紙などの諸経費を含む。以下「手続費用」という。)の一部を日本弁理士会が負担します。なお、具体的な負担額(以下、援助金という。)の上限額は、日本弁理士会執行役員会にて決定されます。
※援助金の上限額は最大6万円となります。
(2)手続費用には、以下の費用は含まれません。
①拒絶理由通知に対応する応答手続き費用
②審判手続費用
③特許料及び登録料
(3)援助金の支払い
援助金は、援助の対象となる発明等の出願が完了したことを日本弁理士会(以下、当会ともいう。)が確認した後、申請者に支払います。
上記の出願完了確認のため、出願書類の電子データ及び出願の受領書を当会に送付願います。
特許出願又は実用新案登録出願の場合の出願書類とは、少なくとも願書、明細書及び特許請求の範囲又は実用新案登録請求の範囲です。意匠登録出願の出願書類とは、少なくとも願書及び図面です。
なお、出願の手続は、当会が合意する弁理士が代理した出願に限ります。当該弁理士に依頼することなく、出願した場合には、援助を受けることはできません。
申請書に基づいて、当会の「知的財産支援センター」にて審査をし、援助の可否を決定します。なお、審査にあたっては、必要に応じて面接を行う場合がありますので、ご協力願います。
(1)申請書及び指定の書類を日本弁理士会会長まで送付して下さい。
(2)同一の申請者又は同一人とみなせる申請者による申請は、同一会計年度内で2件以下です。
(3)同一の申請者又は同一人とみなせる申請者による援助は、同一会計年度内で1件です。
※援助決定前の出願(申請前出願も含む)は援助対象とはなりません。援助決定前に新規性が喪失することが無いように、余裕をもって申請して下さい。
援助の可否の審査は、応募期間の終了後、速やかに行います。このため、申請書の提出後、援助の可否が確定するまで時間を要する場合があります。また、審査の結果、不採用となった場合の理由等に関して、一切お答えできませんので、ご了承ください。
なお、当該審査は、登録の可否を審査するものではありません。つまり、当該審査は、特許庁で行われる審査と異なる審査です。このため、当該審査の結果と特許庁で行われる審査の結果とが異なる場合があります。
援助金は、援助の対象となる発明等の出願が完了したことを日本弁理士会(以下、当会ともいう。)が確認した後、申請者(以下、被援助者ともいう。)に支払います。上記の出願完了確認のため、出願書類の電子データ及び出願の受領書を当会に送付願います。
なお、以下の場合は、援助を停止する場合があります。
(1)願書に記載された出願人と申請者とが完全一致していない場合
なお、申請者とは、当会にて援助の可否を審査する際に「申請書に記載された申請者」です。
(2) 「出願内容が特許法第36条第4項及び同条第6項各号の要件を満たさない蓋然性が高い」
と日本弁理士会が判断した場合
審査等の手続きは、申請内容(申請者の経済的事情等も含む。)が洩れることがないよう厳重な管理のもとに手続を進められます。
援助金が支払われた申請については、以下の項目を当会のホームページ上で公開致します。
①発明等の名称、②援助金額、③受任弁理士名、④権利化の可否、⑤被援助者の性別、年齢層、職業、法人の場合の業種、規模(資本金、従業者概数)
なお、被援助者の氏名又は団体名、発明等の詳細などその他の事項については、当該被援助者の了解を得た場合に限り、公開致します。
※注意事項
(1)この特許出願等援助制度の適用を受けたことは特許庁の審査に何ら影響を与えるものではありません。
(2)本制度は日本弁理士会が運用するものであり、他の同様な制度とは何ら関係するものではありません。
(3)他の助成金制度により特許出願等についての援助を受けている場合は、本制度の対象とはなりません。
特許出願等申請書及び発明の内容の説明は、ダウンロードした電子データを編集して作成し、必ず、電子データの形式で送付して下さい。紙媒体による申請書の受領はできませんので、ご留意願います。
なお、具体的な送付先は、下記の事務局までお送りください。
※特許出願等援助申請書の「12.発明の内容の説明」を記入する際に参照ください。
できません。
申請者と願書に記載された出願人とは完全同一である必要があります。
例えば、「申請者が夫、出願人がその妻」、「申請者がA及びB、出願人がA」や「申請者がA、出願人がA及びB」という形態も認められません。
できません。
援助を受けようととする発明等が、少なくとも審査時において新規なものである必要があります。このため、新規性喪失の例外の利用をした出願は援助の対象となりません。
「実施」は、実施の内容に具体性が必要です。
このため、発明実施の具体的な計画及びその計画の裏付けが無い場合には、援助を受けることができません。
計画の裏付けが無い場合とは、例えば、「当該計画が、申請者の希望又は願望の域を出ない」と日本弁理士会が判断した場合等です。
出願済みの発明等については、援助申請できません。
但し、援助申請後、援助決定前に出願することは可能です。なお、援助が認められない場合、費用は全額自己負担となりますのでご了承ください。
分割出願は援助の対象となりません。
事務局 〒100-0013 東京都千代田区霞が関3-4-2
電話:03-3519-2709
FAX:03-3519-2706
Mail: enjoseido@jpaa.or.jp
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