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第14回 ユニークなデザインを思いついたとき、どんな手続きをすると意匠権を取得できるのでしょうか?

出演 弁理士:井澤幹先生 進行:富山幸代

特許と同じように特許庁に出願をする必要があります。
その出願書類を作成する際には、色々な注意が必要になります。意匠はデザインですから特許とは違い、文章ではなく図面を書いたり写真を撮ったりして意匠を特定しています。

ラジオトーク

富山 日本弁理士会プレゼンツ「こちら知的財産相談室」の時間です。こんにちは、富山幸代です。この時間は、日常生活での出来事や、身の回りのものを通じて、知的財産の意味や大切さを学ぶ番組です。今週の番組の回答者は、日本弁理士会弁理士、井澤幹さんです。井澤さん、よろしくお願いします。

井澤 こんにちは。弁理士の井澤幹です。よろしくお願い致します。

富山 早速ですが井澤さん、前回、「意匠」について教えていただきました。製品のデザインに権利があるとは思いませんでした。

井澤 そうですね。身のまわりにあるほとんどの工業製品が意匠の保護対象であるとはなかなかそこまで考えませんよね。

富山 ええ、本当にびっくりしました。それ意外ですが、家電量販店に入っても「このカメラの形は?」、とか、「この冷蔵庫は?」、と意匠について考えるようになってきたり、歩いていても「このマンホールは?」、と想像するようになってきています。

井澤 はい。そう思って商品の棚を見てみると面白いですよね。あちらこちらに思わぬ発見があります。では井澤さん、もし私がユニークなデザインをある日思いついたとき、これはいけるのではと思ったらどんな手続きをとると、意匠権を取得できるのでしょうか。

富山 はい。ちゃんとした手続きをすれば意匠権は取得できますよ。

井澤 ああ、そうなんですね。

富山 はい。それでは、意匠登録の手続きについて簡単に説明いたします。

井澤 はい。お願いします。

富山 そうなんですね。提出する書類も多そうなので、私たち素人にはとても手に負えないような気がします。

井澤 まず前提として、特許と同じように特許庁に出願をしなければなりません。その出願書類を作成する際には、色々な注意が必要になります。意匠はデザインですから特許とは違い、文章ではなく図面を書いたり写真を撮ったりして意匠を特定しています。図面で特定する場合は、その意匠を正面からだけでなく、後ろからや、上からや、下からや横から、まあいわゆる六面図を作成する必要があります。六面図だけではなくてですね、斜めから見た図や、意匠に凹凸などがある場合は、断面図も必要になります。また意匠はですね、部分意匠といって、製品全体のデザインだけでなく、ある一部分のデザインについても、意匠登録を取ることが出来ます。その場合は意匠を取りたい部分を実線で描き、その他の部分を破線、つまり点線ですね、で表したりします。またデザインは創作時に必ずしも一つのデザインだけが生まれるわけではなく、同じコンセプトのデザイン、つまり似てるけども少し違うデザインが2つ以上生まれる場合があります。この場合は関連意匠と言って、似てるけども少し違う、つまり類似関係にあるデザインを同じ出願人であれば、一定の条件のもと同時期に2つ以上の登録を取得することが可能です。また意匠登録されると一般に公開されてしまいます。なのでこの公開をしてほしくない方は、秘密意匠という制度も利用することができます。このように出願だけでもいろいろな検討が必要になります。そして出願した後は特許庁による審査を受け、2つの大きな要件ですね、1つめは「新規性」と言って世の中に公開されていないこと。2つめは「創作非容易性」と言って簡単なデザインでないこと、の2つの要件を満たせば登録されます。

富山 かなり煩雑ですよね。では、申請書を書くために創作者の方との綿密な打ち合わせと専門的な知識が必要となってきますよね。

井澤 そうですね。そんな時に出番となるのが、私ども日本弁理士会所属の弁理士です。意匠登録したい方を丁寧にフルサポートいたします。日本弁理士会には無料の相談室があります。まずはこちらをご活用ください。その詳細は日本弁理士会ホームページを御覧下さい。

富山 はい。井澤さんありがとうございました。

井澤 ありがとうございました。

富山 また次回も宜しくお願いたします。なお今日の番組ホームページでいつでも聴くことができます。「弁理士 ラジオ」で検索してください。こちら私的財産相談室、この番組は日本弁理士会の提供でお送りしました。また次回をお楽しみに。お相手は富山幸代でした。

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