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第25回 今日は特許の出願と実用新案の出願について実際の手続きに沿ってお話しします

出演 弁理士:吉本力先生 進行:富山幸代

特許出願に必要な書類は? 書類を準備するのにどのくらいの時間がかかるの? 実際に弁理士に依頼した場合に権利取得までどのくらいの期間がかかるの? など、実際の出願の手続きの流れに沿ってお話しします。

ラジオトーク

富山 日本弁理士会プレゼンツ「こちら知的財産相談室」の時間です。こんにちは富山幸代です。この時間は日常生活での出来事や身の身の回りのものを通じて、知的財産の意味や大切さを学ぶ番組です。今週の番組の回答者は、日本弁理士会広報センターの吉本力さんです。

吉本 こんにちは弁理士の吉本です。

富山 吉本さんこんにちは、よろしくお願いします。早速ですが吉本さん、今日は知的財産についてどんなお話をしていただけるのでしょうか。

吉本 はい。今日は実際の話として、知的財産を出願していきたいと思います。

富山 実際に出願をするんですか?

吉本 はい、その通りです。知的財産は特許庁に出願をして、登録されてはじめてその人の権利になりますので、実際の手続きっていうのをしないと何の意味もありません。

富山 私でも出来るんでしょうか?

吉本 大丈夫です、私が手伝いますので。必要な書類を所を具体的に説明していきたいと思います。

富山 はい、お願いします。

吉本 まずは「特許」の出願についてトライしてみましょうか。必要書類なんですけれども、まず「特許請求の範囲」という権利を取得したい範囲を記載する書類が必要です。それからその発明の内容を具体的に説明するための「明細書」。それから、その明細書で具体的に説明するにあたって「図面」を添付して、それを参照しながら記載するんですね。更に発明の内容を簡単に説明した「要約書」、この4つの書類が必要になります。

富山 今メモをしながら聞いているんですけれども、話を追っていくのもやっとという気がします。資料作りが大変そうですよね。

吉本 いえいえ。はじめてにしてはよく理解している方だと思いますよ。

富山 ありがとうございます。

吉本 続いては、「実用新案」の出願についてもしていきましょうか。

富山 はい。がんばります。

吉本 基本的にはですね、特許と一緒なんですね。違うところというと、「図面」を必ず提出しないといけないというところでしょうか。

富山 ところでいま、必要書類について具体的に教えていただきましたが、登録か否かが決まるまでにどのくらい時間がかかってくるんでしょうか。

吉本 はい、特許の場合はですね、「審査請求」という手続きをしないと特許庁が審査をしてくれないんですね。この審査請求という手続きをして、それから1年ぐらいでしょうか。ですので、出願してすぐに審査請求をすれば最短で1年ぐらいで特許権を取得することができます。これに対してですね、実用新案権の方は実質的な審査というのは行われません。ですのでその分、早期に権利を取得することができます。通常出願から数ヶ月ぐらいですかね。

富山 では、特許の方が意外と時間がかかるんですね。

吉本 でも、これだけではないんですよ。忘れてはいけないのが出願までの準備にかかる時間です。

富山 書類を準備をするだけでも、相当な時間がかかるんではないですか?

吉本 はい、その通りです。特許や実用新案の出願書類というのは、結構長い文章を書かないといけないんですね。依頼を受けてすぐに書けるというものではありません。しかも発明者からヒアリングした発明の内容を文章にするわけですから、発明者のアイデアがちゃんと表現できているかどうか、発明者にチェックして頂く必要があります。そもそもですね、依頼を受けた時点で発明が完成していないということも多くてですね、資料の補充をお願いしたり、そういうこともあります。依頼を受けてから出願に至るまで短くても1ヶ月ぐらいは見ておいてもらった方がいいですかね。

富山 となると、依頼してから出願までも数ヶ月、出願から実際に特許権を取得できるまでに、早くて1年~2年ですから特許は相当な時間がかかるというわけですね。審査のない実用新案でも、依頼から権利取得までは半年ぐらいは見ておく必要がありそうですね。個人で出願というのはかなり無理があるように思えます。弁理士さんの助けがなければ1人でとてもできるというようなものではないですね。

吉本 はい。そんな時出番となるのが私ども弁理士です。特許権、実用新案出願の強い味方となる存在です。日本弁理士会には無料の相談室がございますので、まずはこちらをご活用ください。詳しくは日本弁理士会ホームページをご覧ください。

富山 吉本さんありがとうございました。また次回もよろしくお願いします。

吉本 はい。ありがとうございました。

富山 なお、今日のこの番組は番組ホームページでいつでも聞くことができます。「弁理士 ラジオ」で検索してください。「こちら知的財産相談室」この番組は日本弁理士会の提供でお送りしました。また次回をお楽しみに。お相手は富山幸代でした。

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