会長あいさつ・意見・声明

OPINION

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平成30年 日本弁理士会会長 新年のご挨拶

日本弁理士会 会長 渡邉敬介    

 新年のご挨拶

 

 日本弁理士会会長 渡邉 敬介

 

明けましておめでとうございます。本年も昨年に引き続き、日本弁理士会の運営について、ご支援、ご協力のほどよろしくお願い申し上げます。

 

本年の干支は「戊戌(つちのえいぬ)」です。ご承知のこととは思いますが、干支は十干と十二支を合わせたもので、60年で一周します。60才が還暦といわれる所以です。

本年の干支である「戊戌」について調べてみました。「戊」は「茂」に通じ、草木の成長が盛んな状態を意味し、「戌」は「滅」の意味で、草木が枯れ果てた状態または刈り取られた後の状態を意味しているとのことです。そして、 この両者を合わせた「戊戌」は、草木が枯れ果てまたは刈り取られた後の新たな芽生えと成長を意味しているとのことです。これを知的財産分野に当てはめて考えてみますと、知的創造サイクルの停滞が底を打ち、第四次産業革命の改革の波に乗って知的創造サイクルの活性化がもたらされる年を意味していると解釈することもできます。また、その様な年でありたいと思っております。

 

さて、今年度の目玉事業として始めました「知財広め隊」は、同じ地域の企業の経営者と弁理士が共に参加するセミナーと交流会をセットにして各地で開催する事業です。どのようなセミナーが企業に興味を持って頂きやすい か、どのような形式の交流会が生きた情報交換をしやすいのかなど、試行錯誤しながら進めています。「知財広め隊」は、昨年7月19日の福島県郡山市での第1回を皮切りに、本誌が発行されるころには、28箇所での開催を完了しています。「知財広め隊」の実施に当たりましては、各支部のご協力を頂き、大変有難うございます。「知財広め隊」に参加された地域の弁理士の皆様には、交流会で知り合った地域の企業とのつながりを大切にして頂き、これからの地域の発展へのご尽力をお願い申し上げます。また、「知財広め隊」の実施に当たり、地域の関係機関や団体にご協力をお願いしに伺うことで、新たな関係を構築できる機会も多々あると思います。このような機会を逃すことなく、これからの活動の場の拡大につなげて頂きたいと思っております。「知財広め隊」は、まだ道半ばです。残る期間も工夫を重ねて次年度へつなげたいと思っています。

 

広報も本年度の重点政策の一つです。今年、これからの日本弁理士会がとるべき広報の基本戦略を策定します。これは、日本弁理士会会員にお願いした内部のアンケート結果や、依頼した専門機関が持っているルートを使った外部のアンケート結果などが勘案されたものです。この基本戦略に基づいてこれからの日本弁理士会の広報を推進していきたいと思っています。

 

海外への日本の知的財産の広報活動として、昨年度に続き、Discover IP Japanを1月30日と2月1日に開催します。今回も前年度と同様にアメリカですが、ヒューストンとサンディエゴで開催します。Discover IP Japanには、費用は自費となりますが、一般の会員も参加することができます。また、INTAでのブースの設置、AIPLAやAIPPIなどの国際交流の場でのプレゼンの機会の拡大など、どのようなやり方が海外への広報活動として費用対効果に優れているのか、検討しながら試してみようと思っています。

 

次年度会務検討委員会での平成30年度事業計画と予算の策定に際し、会長室員として配置したアドバイザー(弁理士)の協力を得ながら検討を進めることを開始しました。同委員会での検討が円滑に進むことを期待しています。また、役員室にテレビ会議システムを導入し、本年度中に同システムを利用した執行役員会を開催する予定であり、より効率的な会務の執行を図ります。その他、日本弁理士会が行っている事業の有効性などを検証できるようにするシステムについて検討を進めていると共に、中長期的課題検討組織を次年度立ち上げる目途を本年度中に付ける予定でいます。

 

3月までは現副会長および現執行理事と共に、また4月からは新たな副会長および新たな執行理事と共に会務に努めてまいります。本年が皆様にとって良い年となると共に、日本弁理士会および我が国の知的財産制度にとっても良い年となることを祈念しまして新年のご挨拶とさせていただきます。