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令和8年 日本弁理士会会長 新年のご挨拶

新年のご挨拶
日本弁理士会会長 北村 修一郎
新年おめでとうございます。日本弁理士会会長として一言ご挨拶申し上げます。
会長としての1 年目も終盤を迎え、2 年目の目標、運営について毎週、次年度会務検討委員会で詰めを行っている状況です。
2025 年に掲げたスローガンは、「それぞれの弁理士道を極めよう!尖れ、弁理士! 弁理士の多様な活躍に光を当てよう」です。
2025 年の弁理士試験は、志願者は3,501 名で最終合格者205 名となりました。志願者数、合格者数の減少傾向が続き、ここ3 年は毎年、登録抹消者数が最終合格者数を上回り、総弁理士数が減少しています。近年の弁理士試験合格者のうち事務所で代理人として活躍する割合は約6 割であり、事務所で代理人として活躍する割合も年々減少しています。
2025 年度の日本弁理士会の事業の柱としているものは、職業としての弁理士の魅力を高め、資質の高い弁理士志願者を増やしていくことを目標としたものです。
・2025 大阪・関西万博への対応
昨年、10 月3 日からの8 日間、2025 大阪・関西万博に共創パートナーとして出展しました。
WASSE 会場2000 ㎡の特許庁のブース内に1/4 のスペースをお借りし、イベントを開催しました。イベントは、ご協力頂いた12 社の企業の最先端の技術を4 社ずつ生徒・学生96 チームに体験してもらい、体験した技術に基づいて当該96 チームが参加するビジネス/技術アイデアコンテストをメインコンテンツとしたものです。
最先端技術を体験している間に生徒・学生が見せる驚きや歓喜の表情が印象的でした。コンテストに参加する生徒・学生には、事前に知的財産に関するレクチャーを行い、技術体験後にコンテストに向けて弁理士がサポートする、という技術体験型知財創造教育であり、今年の2 月にコンテストの最終審査及び表彰式を行います。
今回、日本弁理士会として得られた教育のノウハウを今後も活用して教育事業を強化していきます。
・生成AI 時代に適応した弁理士業務の検討に関して
続いては、生成AI の活用についてですが、外部機関とも情報交換を行いつつ会内で生成AI に関連した研修を継続して行っております。
例えば、AIPPI 横浜大会の翌日のグローバルネットワークサミットでも、各国弁理士会と意見交換し、代理人業務のうち生成AI の使用を許容できる業務と許容すべきでない業務等について情報交換をしました。今後の課題として共通した認識となったもののひとつは、新人の育成についてでした。将来、一次ドラフトから生成AI のアウトプットを頼る新人に遭遇した場合等での育成の難しさの話です。生成AI を使わなくても最初から最後まで完結させる力があれば、生成AI の活用もありえるかもしれませんが、最初から依存してしまうとブレない自分の軸を作るのが難しい、といったような内容です。
また、特許情報サービス業連合会40 周年記念式典での特許調査の会社との意見交換では、生成AI を活用した調査によって人の役割が大きく変わってきていることの話題が中心でした。
生成AI の進化は早いので継続的に検証しながら外部との意見交換が必要になります。
・ロールモデルの発表
若手弁理士や弁理士志望者に対し、弁理士としてのロールモデルを示すことで、将来の目標としてもらい、人材の獲得および育成を図ります。また、企業において未だ広く知られていない弁理士の活用方法を示し、弁理士の業務のさらなる拡大を目指します。これらの目的のため、まずロールモデルとなる弁理士を選定し、その活動内容などを内外に発信するとともに、当該業務の遂行に必要なスキルを明らかにして会員への研修を行う事業を進めています。2025 年度は、知財コンサルティング、ブランディング戦略、オープンクローズ戦略、DE&I、SEP(標準必須特許)判定等、弁理士の新たな可能性を示す突出した活躍事例をロールモデルとして選定しました。このうちオープンクローズ戦略については、2025 年度中に研修の実施まで行う予定です。
・知財経営支援に関して
特許庁が進める知財経営支援モデル地域創出事業への協力に力を入れつつも、別途、2026 年度を見据えて、弁理士がリーダーシップを発揮する知財経営コンサルの成果を出すための準備を進めています。地域の経済産業局等と連携しながら、地域会の知財経営コンサル業務を行う弁理士と本会の知財経営センターとの協力により、弁理士の主導する知財経営コンサルの成功事例を増やすための枠組み作りを行います。既に成果を出せている地域会のノウハウを他の地域会と共有してさらにブラッシュアップし、広く展開していくことを考えています。
・農水事業者に対する知財経営支援
農水事業者が知的財産制度を活用してより業績を上げることができるよう、弁理士が農水事業者に対して知財経営支援を行うための枠組み作りに取り組んでいます。2025 年度は各地域会の弁理士に対して、農水事業者の知財活性化のための知識向上に取り組んでいます。2026 年度に各地域の農水事業者の知財リテラシー向上を行い、各地域の農水事業者に対する知財経営支援の実勢作りまで漕ぎ着けたいと考えています。
その他も沢山の事業に取り組んでいてここには記載しきれませんが、執行役員会として副会長、執行理事、皆全力で進めております。また、次年度の副会長も準備に尽力しております。
弁理士制度をより良くしていくためには志を共にする沢山の弁理士の方々のご協力が不可欠です。日本弁理士会の活動にご理解とご協力を賜りますようお願いいたします。