知的財産権の事例

CASE

  • SHARE
  • Facebook
  • Twitter
  • はてなブックマーク
  • LINE

商標事例

山崎

初の国産シングルモルト
ウイスキー

サントリーのウイスキー「山崎」は、同社の山崎蒸溜所のモルトウイスキーだけでつくられた、国産初のシングルモルトウイスキーである。2003年に世界でも権威ある酒類国際コンテストのインターナショナル・スピリッツ・チャレンジで「山崎12年」が金賞を受賞して以来、世界の主要な酒類コンペティションで数々の最高賞を受賞。最高品質のウイスキーとして揺るぎない評価を獲得している。

山崎

「山崎」が生まれた背景

サントリー創業者の鳥井信治郎氏は「日本人の手で、世界に誇る日本のウイスキーをつくりたい」との思いから、京都の郊外にある名水の里、山崎に蒸溜所を建設した。
以来、ここから国産ウイスキーを代表する名だたるブランドが生み出された。創業者の思いを引き継いできた山崎蒸溜所の竣工60周年を記念して1984年に「山崎」は発売された。ウイスキー先進国のスコットランドでは、単一蒸溜所生まれのモルトウイスキーは、その蒸溜所の名が冠される。
同社が初めて蒸溜所の名を冠した「山崎」は、世界中のウイスキー愛好家垂涎の的となっている。

商標登録出願する

商標の重要性

「山崎」は同社のウイスキーで初めて漢字表記を採用した商品名だった。これには社内でも賛否両論があったというが、筆文字にしたことがかえって斬新でインパクトが大きかった。この名称が一般的な氏でもあることから、発売当初は商標を出願していない。販売実績を積んだ1994年に出願、拒絶査定に対する審判を経て、商標法3条2項(使用による識別性の獲得)によって1999年に登録が認められた。シングルモルトウイスキーの個性を主張する上でも、ブランドイメージを確立する上でも、蒸溜所の名を冠した商品名を商標登録することは重要だった。