知的財産権の事例

CASE

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特許事例

雪見だいふく

真冬にアイスクリーム!?逆転の発想で開発された。

「アイスクリームは夏だけのものではない。あたたかい部屋で外の雪景色を見ながら食べるようなアイスクリームもきっと需要があるはずだ。」 そんな逆転の発想で開発されたのが、ロッテの「雪見だいふく」である。

雪見だいふく

開発者の発想

ロッテのアイスクリーム業界参入当時は先発の乳業各社が高いシェアを持っていた。加えて2年続きの冷夏の影響で販売が落ち込み、気候に左右されないユニークな商品の開発が急務となっていた。こうした中、四季を通じての人気商品である大福餅にヒントを得て、中身のあんの代わりにアイスクリームを入れることを思いついたのだという。

しかし、アイスクリームを包む餅は冷凍すると固くなってしまい、食感が著しく悪い。餅が柔らかくなるよう温めて食べたのでは、アイスクリームが溶けてしまう。ロッテは、餅の成分の改良などによってこれらの問題をクリアしていった。

特許出願する

ロッテ商品保護の取組み

一方、特許取得作戦は必ずしも順風満帆だったわけではない。昭和59年2月に出願公告が行われるが、これに対して7件もの特許異議申し立てが出る。翌60年7月にこの異議が認められ、拒絶査定が下された。直ちに拒絶査定不服を請求し、4年にわたる審理の結果、拒絶査定は覆され、平成元年12月に特許を勝ち取る。発売直後から他社の類似品が多く市場に出回っていたが、特許登録を境にして水が引いたように消えていった。その後、「雪見だいふく」はロッテの独占商品として長くヒットし続けることになったのである。