知的財産権の事例

CASE

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商標事例

熱さまシート

使用用途と方法が一目でわかるネーミングとパッケージ

1994年に発売した「熱さまシート」が画期的だったのは、額に「貼りつける」点である。氷嚢や濡れタオルが
ずれてしまうことに不満があるという消費者のアンケート結果から生まれた製品だ。

熱さまシート

小林製薬の発想

「熱さまシート」は、水分を含んだジェル状の高分子ポリマーを塗布した
不織布で、寝返りを打っても、起きあがっても額から落ちない。
そのため発熱する頻度の高い子どもをターゲットに発売された直後から
予想を上回る反響を呼び、生産が間に合わないほどのヒット商品になった。
「当社では、パッケージは物言わぬ営業社員、と考えています。店頭でお客様に
語りかけるのがパッケージの商標なのです。」というのは、同社経営企画部
企画広報グループ主任(※)の岩田和子さんだ。また、研究開発本部研究企画部部長(※)の
矢田英樹さんは、「世に出した製品を長く育て、ブランドを大事にするという考えから、
知的財産権全般について権利化できるものはすべて権利化する方針で取り組んでいます」と語る。

※所属・役職は取材当時のもの
※掲載商品画像は、2018年3月現在最新のもの

商標登録出願するには

小林製薬 ブランド保護の取組み

同社では、いままでにない製品の開発・提供をしているため、
既存のジャンルに収まらない新製品が多く、商標の調査時も多岐のジャンルにわたる調査を行い、
また、出願においても複合商品的な対応を行っているとのことだ。
この点で、代理人である弁理士の専門知識が生かされている。
「熱さまシート」もその例に漏れない。
さらに、「熱さまシート」は冷却効果時間を長くするリニューアルを重ねている。
開発努力、絶妙なネーミング、消費者へのストレートなアピールという小林製薬の
姿勢により、知的財産権に守られた「熱さま」ブランドも大きく成長している。