知的財産権の事例

CASE

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特許事例

フリクションボール

何度でも書き直せる筆記具

1本のボールペンで書いて、消して、また書けるのが、パイロットの「フリクションボール」である。しかも消しカスが出ない。

フリクションボールペン

開発者の発想

フリクションインキは、一般的なインキと異なり、発色剤、顕色剤、変色温度調整剤を封じ込めたマイクロカプセルが使われている。常温では発色剤と顕色剤が結合して筆跡を残す。この筆跡をペンのボディ後部のラバーでこすると、摩擦熱によって変色温度調整剤が働いて発色剤と顕色剤が解かれ、筆跡が無色透明になる。しかも筆跡を削り取る消しゴムとは異なり、消しカスが出ずに、何度でも書き直せる。

「インキとしての用途を広げるために、さまざまなニーズに対応した目標をたて、独自の材料や成分の開発も行い、らせん階段を登るように技術を蓄積してきました」と当時の同社商品開発部の方は語る。長年にわたり、多くの研究員が1,000以上の化合物を評価してきた。その成果として今のフリクションボールがあり、研究により、現在も進化し続けている。

特許出願するには

パイロットの商品保護の取組み

フリクションボールは、2007年3月からの1年間において世界各国で合計4,000万本を売り上げ、その後、10年間で20億本以上を売り上げた。
爆発的に商品が売れるということは、多くの人に注目を浴びるということである。同社は、「営業活動を優位にするための権利取得と、営業活動に支障をきたさないよう他社権利の侵害防止を行うことが基本的な役割」と考えている。長年の研究成果がつまったフリクションボールは知的財産権でしっかり守られている。