令和3年度パテントコンテスト 日本弁理士会会長賞 受賞者インタビュー


徳島大学

令和3年度のパテントコンテスト(以下、パテコン)の日本弁理士会会長賞は、徳島大学理工学部2年(応募時)の馬野滉大さんが「リード線を兼ねる形の変えられるブレッドボード」で受賞した。

徳島大学理工学部ではパテコンを活用した選択授業「アイデア・デザイン創造」を2年前期に行っている。馬野さんは「自分でいいなと思うアイデアがあった」ので、受講して応募を目指したという。


そのアイデアが受賞作品となった。大学に入ってから電子回路の実験や試作でブレッドボードを使うようになり、部品が増えると配線がごちゃごちゃになってしまうのを、どうにかきれいに配線できないかと考えたていたそうだ。ふと、身近にあったレゴブロックから発明の着想を得て、試行錯誤した末にできた作品だ。レゴブロックで多様な造形物が作られていることから、このアイデアから生まれたブレッドボードでさまざまな形状の回路を作ることができる可能性も感じていた。

馬野さんの発明は、既存のブレッドボードの列を切り離してブロック状にし、これを組み合わせてつなげて回路を作ることができる。ブロックの突起部分にある穴に部品を刺すことができ、突起部分のあるブロックの内側は導体、外側を絶縁体にしている。これによりブロックを組み合わせると、導体同士が接して配線の代わりとなり、ブレッドボードそのものがリード線を兼ねることで、外側に配線が出ないという画期的なものだ。

また、一般的なブレッドボードでは、作りたい回路より大きい基板が必要となるが、この発明ではブロック自体が基板の役割も果たすので、コンパクトな回路を作ることができるという点も特徴となっている。

アイデアを発明の形にするのには、あまり苦労しなかったという馬野さんだが、応募書類の作成では自分のアイデアを技術のわからない人にもわかるように文章に書き起こすのが難しかったと振り返る。授業の講師を務めた弁理士にもチェックしてもらって数回更新したほか、家族にも文章を読んでもらってアイデアが理解できたか感想を聞くなど協力してもらったそうだ。

その過程で馬野さんはこのブレッドボードの特徴から、小中学生に回路の仕組みを知ってもらう教材に向いていると考えた。組み立てが簡単で、ハンダ付けも必要ないので安全に扱え、回路の仕組みが理解しやすい。以前から機械いじりが好きだった馬野さんは、「こういうものがあれば、もっと早くから回路を作ったり、いろいろできたのではないか」と思ったそうだ。

応募に際しては特許出願支援対象の優秀賞を狙っていた馬野さんにとっても、特別賞の一つである弁理士会会長賞を受賞したのは想定外だったようだ。「日常的な場面で不便だと思うことを改良するアイデアとか、いろいろ思いつく方だと思います。受賞したアイデアはそういう中で一番いいと思っていましたが、外部のコンテストなどに自分のアイデアを提出したのは初めてでした。優秀賞だけでなく、弁理士会会長賞という形で評価されたことはとてもうれしかったです。自分のアイデアに自信を持つことができました」と喜びを語った。

大学でロケットプロジェクトに参加している馬野さんは「このブレッドボードを使って、ロケットプロジェクトでも回路を作ってみたい」そうだ。基板として使用後に不要となる、あるいは作り直す場合も、ブロックを分解して再利用できるので、コスト削減にもつながるという。

将来は回路関係の設計・開発者の道に進みたいと抱負を語った。

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