令和2年度デザインパテントコンテスト 日本弁理士会会長賞 受賞者インタビュー


玉川大学

デザインパテントコンテスト(以下、デザインパテコン)で2020年度の弁理士会会長賞を「デジタルメジャー」で受賞した玉川大学工学部3年(応募時)の真崎魁さんは、1年生だった2018年度のデザインパテコンでも優秀賞を受賞し、意匠登録している。

もともとロボットとそのデザインに関心のあった真崎さんは、幅広いデザインを学びたいとの思いから工学部エンジニアリングデザイン学科に進学した。入学直後に行われる教授陣の導入ゼミで、黒田潔教授からデザインパテコンが紹介され、即座に応募を決めたという。

「自分のデザインでどこまでいけるか、試してみたかった」と振り返る。初めて公のコンテストに応募しての受賞には「舞い上がった」そうだ。2年次にも応募しているが、残念ながら受賞には至らなかった。「最初の受賞もまぐれだったのかもしれないと思いました。受賞後からスケッチブックに思いついたデザインを描きためて、学んできたことを活かして、より質の高いデザインを考案して、改めてデザインパテコンに挑戦しました」と3度目の応募について真崎さんは語る。

応募する作品のアイデアは、身近な物品で不便に感じたものについて7、8案があったが、最初の受賞作「携帯用電子定規」を進化させたものに決めた。前作が箱状のものしか計測できなかったのに対し、人の体のさまざまな部分を計る服飾関係の採寸などにも使える、曲線部分も正確に計測できるものを作ろうと考えた。

当初は一般的なメジャーのような形状で計測値がデジタルで出るようなものを考えたが、先行事例があったことから、2つの部分を合体させる形状でオリジナリティを持たせた。これによって、片方に計測値を表示するデジタルパネル、もう一方に計測値の履歴を表示するパネルを配置することで、測定器としてさらに上の進化も実現している。ポケットに入るサイズで、持ち運びやすいように軽量化にも配慮した。また電源ボタンと測定ボタンの位置は、押し間違えのないように側面と上面に分けている。正確に計るだけでなく、ユーザーの使いやすさも重視した機能を実現するために生まれたデザインだという。その形状を3Dプリンターで試作し、最終的なデザインを完成させた。


デザインをする上で最も苦労したのは資料集めだったそうだ。今回のデザインに取り組み始めた頃は、コロナ禍で図書館が閉鎖されていたために図録や雑誌などの資料が得られなかった。また店舗も閉まっていて実際のメジャーの形や大きさを見ることができなかったので、通販サイトなどで既存の製品の画像をたくさん見て参考にしたそうだ。 大学もリモート授業で、計ることについて不便だと思うことなど、友人などにメールで尋ねることもあった。あるいは服飾関係の仕事をする友人にオンラインで、採寸時の苦労などを聞いたりもした。

今回、真崎さん自身のテーマは「一年次からの進化」だったという。それはデザインだけでなく意匠検索でも強く意識し、徹底的な検索を心掛けた。それだけに弁理士会会長賞の受賞は、積み重ねた実力と、よりハイレベルなデザインが認められたと感じられて、「最初の受賞とは違った嬉しさがありました」という。出願書類も進化させるべく、2年前よりずっと多くの時間をかけて磨き上げたそうだ。将来は「人々の生活を便利に、よりよくするために役立つものを、自分のアイデアでつくっていきたい」と真崎さんは意欲を燃やす。

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