会長あいさつ・意見・声明

OPINION

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令和5年 日本弁理士会会長 新年のご挨拶

    

 新年のご挨拶

 

 日本弁理士会会長 杉村 純子

 新年明けまして、おめでとうございます。本年も宜しくお願いいたします。

 皆様もご存知のとおり、新型コロナウィルス感染症の拡大の抑制を図りつつ、経済の維持・発展を目指すという微妙なバランスの中で各種政策・事業が展開されてきております。そして「新生活様式(ニューノーマル)」が提唱され、リモートワーク、DX 化の促進等が実施され、人類の知恵により新しい生活様式も徐々に定着してきております。

 我が国の経済産業は、AI や IoT などの新たな技術分野の進展、サプライチェーンの変革、グローバル競争の激化、そしてウクライナ情勢など、大きな変革期を迎えており、知的財産を取り巻く環境変化も激しくなっております。そのような中でも知財を経営資源と位置付けるコーポレートガバナンスコードの導入など、経済産業を支える知的財産の重要性は益々増加しています。

 今後の社会ニーズにマッチしたユーザーにとって魅力ある知財制度を実現することが重要であり、その先に弁理士が活躍できる世界が広がっていると考えます。日本弁理士会としても、新しい知財制度の検討に際し、関係省庁や関連団体と頻繁に意見交換会を行うと共に、積極的にリーダシップを発揮して政策提言をしているところです。

 令和 4 年度は、年初に宣言した「スタートアップ知財支援元年」を実現するため、全国のスタートアップの知財支援を強化しております。スタートアップにとって、知的財産はその事業活動を支え、安定な経営をもたらす重要なツールです。近年、経済社会システムの在り方が大きく変化しており、その中で経済が持続的な成長を実現していくためには、技術を機動的かつスピーディーに社会実装できる仕組みが必要であり、スタートアップはその主役でありイノベーションの原動力です。スタートアップは、創業間もない企業だけではなく、新規事業を立上げ急速に成長させていく既存の中小企業も含まれるものです。このようなイノベーション機能を担うスタートアップにとって、特許等の知財戦略は、ビジネスの成否を分ける決定的なポイントになります。知的財産の社会実装の実現と、知的財産をベンチャーキャピタルや銀行からの融資・投資の対象としての評価が推進されるように、日本弁理士会は各地域会や各経済産業局とも連携を強化して、全国のスタートアップの知財支援を強化しており、知財活用のアドバイスなど、弁理士が社会に果たす役割は拡大かつ多様化し、期待も多くなってきております。

 日本弁理士会は、知的財産権制度を利用するユーザーの皆様の様々な活動を弁理士が力強く支えることができるよう、本年も一生懸命に尽力していきますので、当会の活動にご理解とご協力を賜りますようお願いいたします。