会長あいさつ・意見・声明

OPINION

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令和2年 日本弁理士会会長 新年のご挨拶

日本弁理士会 会長 清水 善廣    

 新年のご挨拶

 

 日本弁理士会会長 清水 善廣

 

新年明けましておめでとうございます。令和になり最初の新春を迎えるにあたり、一言ご挨拶を申し上げます。

 

昨年は、元号が平成から令和に代わり、新天皇陛下は即位礼正殿の儀において世界の平和と日本の一層の発展を願われました。日本弁理士会も、世界の平和と日本の一層の発展に貢献して行きたいと思います。
 また、昨年は弁理士制度120 周年という記念すべき年でもありました。皆様のご協力によって、記念式典・祝賀会等の多くの記念行事・事業を実行することができました。心より御礼申し上げます。来賓の方々からは、知的財産の専門家である弁理士の今後の活躍を大いに期待する、という励ましのお言葉をいただきました。弁理士法の使命条項の下で、ご期待に応えるように本年もしっかりと活動して行きますので、日本弁理士会執行役員会へのご支援、ご協力を宜しくお願いいたします。 

第4 次産業革命の進展が目覚ましく、AI、IoT、ビッグデータ等の言葉もすでに目新しくなくなっています。アインシュタインが予言したブラックホールの撮影の成功もニュースとなりました。夢の技術といわれた量子コンピュータの開発競争も加速して、実用化が射程に入ってきました。バイオの分野では再生医療やゲノム編集の実用化が一気に進んできました。農林水産業やサービス産業等でもイノベーションが生まれ、多岐に亘る分野で弁理士の活躍が期待される時代を迎えています。

 

執行役員会では、日本弁理士会の事業計画として「弁理士絆プロジェクト」を立ち上げました。「弁理士絆プロジェクト」は、日本弁理士会のみでは対応できない分野の協力を外部に求め、外部との連携によって絆を築き、より大きなパワーにして、「夢と希望のある知財立国の実現」を目指すものです。

 

さらに、昨年から、日本弁理士会の各支部は地域会に、各支部長は地域会会長に名称を変更しました。この名称変更によって各地域会の活動が非常に活発化しています。これらの地域会と本会とが連携し、次の5 つの絆をもとにプロジェクトを進めています。

 

1.金融機関との絆
 全国の地域金融機関との連携により、金融機関の知財マインドを高め、その知財マインドが金融機関の支援を受ける企業へ波及することを目標としています。

2.企業との絆
 企業との直接的な情報交換や相互理解、或いは、中小企業支援団体との情報交換に基づき、企業の知財ニーズを把握して、弁理士が提供する知財サービスの向上を図って行きます。

 

3.他士業との絆
 弁護士、公認会計士、司法書士、税理士、中小企業診断士、技術士等の他士業との連携により、弁理士が提供する知財サービスの質的向上を図って行きます。また、他士業のチャンネルを介することで、知財ニーズの拾い溢しをなくし、知財サービスが広く行き亘るようにして行きます。昨年は、弁護士、中小企業診断士との連携を始めましたが、今年は更に連携を深めるとともに、上記以外の士業との連携も広げて行きます。

4.アカデミアとの絆
 大学や国立研究機関などを対象に、権利化業務だけでなく、共同研究や技術移転のマッチングにも関わるように連携を築き、アカデミアの「知」を活用したイノベーション創出にも関わって行きます。

 

5.弁理士同士の絆
 事務所、企業、アカデミア等、様々な分野で活動する弁理士同士の連携により、それぞれの分野で得た知見や経験を活かし、知財のプレゼンス、そして弁理士のプレゼンスを向上させ大きなパワーにして行きます。産学官の連携に的を絞って活動を始めたところですが、今年はその成果を目に見える形にします。

 

このように、「弁理士絆プロジェクト」は、知財立国の実現のため、外部との連携により知的財産の専門家である弁理士の活動基盤を強化するものです。
 令和の時代に知財立国の実現を目指すとともに、弁理士にとって輝かしい時代となるよう会務に専心してまいります。本年も皆様のご支援、ご協力の程、宜しくお願いいたします。

    最後に、皆様にとって本年も素晴らしい一年になることを祈念して新年のご挨拶とさせていただきます。