日本弁理士会の活動
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先生のための(知財の)ひきだし!情報編
大人でも思わず引き込まれるおもしろ知財エピソード集です。 小学生から高校生までを対象に幅広くご利用ください。
テーマ:発見と発明について
Keywords | イグノーベル賞 |
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法域 | 特許 |
教科 | 経済、理科、数学、国語 |
皆さんは、イグ・ノーベル賞をご存じでしょうか? さて、イグ・ノーベル賞を受賞する研究の多くは、様々な事柄の発見を整理して、面白く、また、分かりやすく説明するものが多いです。発見とは、既に世の中に存在しているものを初めて見つけることですが、このような「発見」は特許の対象にはなりません。「発明」であることが求められます。「発明」とは、今まで世の中に存在していなかったものを新たに作り出したり、考え出したりすることです。 皆さんも是非、普段の生活で発見したことから、新しい何かを生み出し、発明をしてください。 (履歴情報)2020/09/14 掲載 |
テーマ:知的財産権の存続期間
Keywords | 存続期間 |
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法域 | 知的財産権一般 |
教科 | 情報 |
知的財産権には、存続期間が定められています。 ①「特許権」は、 「出願から20年*1」、 ②「実用新案権」は、 「出願から10年」、 ③「意匠権」は、 「出願から25年*2」、 ④「商標権」は、 「登録から10年、更新可能」、 ⑤「著作権」は、 「著作者の死後70年*3」、 です。 では、ここで問題です。 ①特許権、②実用新案件、③意匠権、④商標権および⑤著作権のうち、最も長く権利を存続させることが可能な権利はどれでしょうか? ・・・ ・・・ ・・・ 「更新」という言葉に気が付きましたか? ・・・ そうです。答えは④商標権です。
商標権は、費用が必要にはなりますが10年ごとに繰り返し何度でも更新することができ、望めば半永久的に存続させることができます。 現在(2024年7月執筆時点現在)現存する最長の商標権は、1902年(明治35年)に登録された清酒の商標(寿海「ジュカイ」と読むそうです。)で、120年以上存続しています。 商標権は、そのネーミングやロゴを継続して使用することによって蓄積される営業上の信用を保護するための権利です。せっかく長年誠実に営業して評判を高めてきたのに、ある日、期限ということで権利が無くなり、だれでも使えるようになってしまったとしたら、権利者だけでなく、例えば評判が良いので買ってみたのに残念な思いをするなど、皆さんも困ってしまうことになります。 一方、①特許権、②実用新案件、③意匠権および⑤著作権は、新しい創作を保護するための権利です。新しい創作をしたからといってずっと独占を認めるのは反対に社会のためにならないので、存続期間には終期が設けられています。 ①特許権、②実用新案権、③意匠権については、それぞれ「出願から〇〇年」といいましたが、より正しくは、存続期間は、特許庁に権利が認められ登録された日から開始し、出願した日から〇〇年をもって終了することになります。 商標権の次に長く存続する権利は、⑤「著作権」になります。 著作権は、届け出や出願などの手続きの必要なく権利が発生します(無方式主義といいます。)。 例えば、皆さんが10歳ごろに創作した絵画の著作権は、もし仮に100歳まで長生きされたとすると、経済的な価値は別ですが、絵画を創作した時から亡くなった後70年後までのおよそ160年間、権利が存続することになります。
知的財産権の存続期間、皆さん覚えられましたか?
注釈: *1 医薬等については、最長で25年まで延長が認められる場合があります。 *2 2020年3月31日以前の出願は登録から20年です。 *3 法人著作は公表後70年です。
(履歴情報)2025/03/12 掲載 |
テーマ:フローチャートを使って発明を説明する
Keywords | フローチャート、発明 |
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法域 | 特許法 |
教科 | 情報Ⅰ |
アルゴリズムをわかりやすく表現する方法の一つとして、フローチャート(流れ図)があります。フローチャートは、プロセスや手順を視覚的に表現するのに非常に効果的なツールになります。発明のプロセスをフローチャートで表現してみます。 ステップ1:問題の特定(解決する課題を明確にする。) ステップ2:リサーチ(既存の技術を調査し、解決課題へのアプローチを考える。) ステップ3:発想(新しいアイデアを出す。) ステップ4:評価(出されたアイデアの実現可能性や効果を検討する。) ステップ5:試作品の作成(課題解決に最も有用なアイデアを用いて、試作品を作成する。) ステップ6:試行錯誤(試作品が課題解決の手段・方法となるかをテストし、必要な改良を行う。) ステップ7:発明の完成(最終製品または発明を完成させる) ステップ8:特許出願(特許を取得し、発明を保護する) ステップ9:製品の販売(製品を市場に投入する) このようなフローチャートを作成することで、発明のプロセスを視覚的に理解しやすくすることができます。発明のプロセスは幾通りもありますので、ほかのプロセスも考えてみてください。 (履歴情報)2025/03/12 掲載 |
テーマ:理科(電気・物理):君はエジソンを超えられるか!
Keywords | エジソンの話、特許申請、理科(電気・物理)の問題 |
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法域 | 特許法 |
教科 | 国語、理科(電気・物理) |
(理科(電気・物理)の問題:君はエジソンを超えられるか!) 以下の文章は、名和小太郎の「エジソン理系の創造力」の一文であるが、空所○○に入る適当な言葉(単語)を記載しなさい(解説文を含む)。特許の書類では、特許請求の範囲の記載が重要ですが、エジソンのフィラメント白熱灯の特許請求の範囲の記載の○○部分に次の語句のうちどの語句が入るか。①電流 ②電圧 ③抵抗 ④炭素 (高〇〇フィラメント白熱灯:特許請求の範囲:請求項1) 「白熱現象によって光を発する白熱灯であり、高○○のフィラメントからなり、そのフィラメントは、図示されるように金属線によって固定される。」 (解説文) この特許請求の範囲(請求項1)の「高○○のフィラメント」、特に③高○○という文言にエジソンの独創がありました。他のライバル競争者が遅れをとったのですが、他社は、5オーム程度の○○で良いと思い込んでいたのでした。しかし、エジソンは、「高○○」を目指しており、その値を具体的には100オーム程度にしていました。高○○であるためには、その線は細くなければならず、つまりフィラメントでなければなりません。断面積が小さくなれば、○○は大きくなります。この細い線をエジソンが「フィラメント」(糸)と表現したとされています。なお、エジソンのライバルはその線を「ロッド」(棒)表現して、後に、白熱灯特許の優先権をめぐる訴訟が起きたときに、法廷はこの記載の表現に注目して、エジソン特許は有効であるとしています。 本問の答えは、③抵抗
(履歴情報)2025/03/12 掲載 |