特許権と申請

特許権とは

 いわゆる「発明」と呼ばれるものに与えられます。発明には“物”、“方法”、“物の生産方法”の3つのタイプがあり、既存の技術などより進歩した内容であること、産業上利用できることなどが要件として求められます。
 特許権を取得すると、その発明については絶対的な独占権が認められます。例え独自に発明したとしても、また特許権の存在を知らなかったとしても、第三者は原則として特許発明を実施できないという強い権利です。
 ただし、存在の確認できない事象によるものや、実現不可能な技術によるものは特許権の対象とはなりません。例えば‥
・自らの関節を外すことにより実現される体操の技(産業上利用できないため)
・幽霊を利用したステルス・カンニング装置(存在が確認できない事象であるため)
・手回し式計算機の効率的生産方(既存の技術より進歩していないため)
・密輸品を隠すことのできるトランク(法律に違反する=公序良俗に反するため)
などがあります。とはいえ、身の回りを探してみると、思わぬところにアイデアのヒントがあるかもしれません。「これだ!」と思ったら、まずは弁理士に相談してみてはいかがでしょう。

身近な特許権

 ひと昔前ならどこの家庭にもあった“亀の子たわし”。これも特許権を取ったものの一つ。出願されたのは大正2年、登録されたのが大正4年です。
 特許法では、特許として登録された発明を利用した商品の外装などに“特許第00000号”と書くことが奨励されています。しかし、特許が切れた後には書くことが許されないので、特許権取得品であることに気付かないのです。このように私たちの生活の中で、知らないうちに、特許権と接している機会はとても多いのです。

特許権の申請方法

特許権取得への道筋

(1)特許出願
所定事項を記載した「特許願」を特許庁長官に提出します。

(2)方式審査
提出された書類が書式通りであるか、不足は無いかどうかが審査されます。

(3)出願公開
同じ内容の研究が行われたりするのを防ぐため、出願されてから1年6ヶ月で、出願内容が公開されます。

(4)出願審査請求
出願日から3年以内に行う必要があります。出願審査請求をしなければ、審査は行われません。

(5)取下
出願審査請求が3年以内に行われない場合は、出願が取り下げられたものとされます。

(6)実態審査
出願審査請求がされると、審査が開始されます。所定の特許要件を満たしているかどうかが調べられます。

(7)拒絶理由通知
実体審査において特許要件を満たしていないと判断されると、「拒絶理由通知書」が送付されます。

(8)意見書・補正書提出
拒絶理由通知に対して「意見書」や「補正書」を提出することができます。

(9)拒絶審査
実体審査において要件を満たしていないと判断されると、出願は拒絶され「拒絶査定謄本」が送達されます。

(10)拒絶査定不服審判
拒絶査定に対しては、拒絶査定不服審判を請求することができます。

(11)特許査定
実体審査において、特許要件を満たしていると判断されると特許査定謄本が送達されます。

(12)設定登録
特許料を納付し、設定登録されると特許権が発生します。

(13)特許公報発行
特許権の内容は、「特許公報」に掲載され一般に公開されます。

(14)無効審判請求
特許公報に掲載された保護の内容に無効理由があれば、「無効審判」を請求することができます。

(15)登録の維持・無効
無効審判の審理は複数の審判官の合議で行われ、登録に問題が無いと判断された場合は請求棄却の審決が下されます。逆に問題があると判断された場合は、特許権者の答弁を聞いたうえで無効にすべき旨の審決(請求認容の審決)が下されます。