解答と解説

Q.1「知的財産」に関する専門家として、「弁理士」という国家資格がある。

あなたの解答：　正しい解答：○

「弁理士」は、特許（発明）・商標・意匠・著作物などの知的財産に関する専門家であり、国家資格です。特許権・実用新案権・意匠権・商標権などの知的財産権を取得したい方のために、代理して特許庁への手続きを行うのが弁理士の主な仕事です。また、知的財産の専門家として、知的財産権の取得についての相談をはじめ、自社製品を模倣されたときの対策、他社の権利を侵害していないか等の相談まで、知的財産全般について相談を受けて助言、コンサルティングを行うのも弁理士の仕事です。 すべての弁理士は「日本弁理士会」に所属しています。詳しくはかわら版をチェック！

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Q.2自らの発明について日本国内で「特許権」を取得すれば、その発明は日本だけでなく海外でも法律によって保護される。

あなたの解答：　正しい解答：×

特許権を日本で取得した場合には日本の法律の範囲内でのみ保護され、海外の法律では保護されません。 海外で保護を受けるためには、保護を受けたい国ごとに特許権を取得することが必要です。 海外でもビジネス展開したいと考える場合、早期にどの国で特許権を取得すべきかの戦略を立てておくことが非常に重要です。

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Q.3商品を販売してから特許出願をすればよい。

あなたの解答：　正しい解答：×

原則として、特許出願の時点で公知になっている（新規性が無い）発明は特許権を取得することができません。 確かに、新規性の喪失の例外という制度はありますが、中国や欧州など、「商品の販売」という行為では、新規性の喪失の例外を認めてくれない国、地域があります。 また、あなたの商品にヒントを得た他人が、その改良発明を先に出願した場合、あなたの特許出願は拒絶されてしまうかもしれません。 出願前に販売や公開を避けるのが基本です。 アイデアが生まれた早い段階で、弁理士に相談しましょう！

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Q.4会社のスローガンやパーパスでも商標登録できる場合がある。

あなたの解答：　正しい解答：○

自分と他人の商品・サービスを区別することができる（識別力がある）ものであればスローガンやパーパスも商標として登録可能です。例えば、株式会社明治　「健康にアイデアを」、ライオン株式会社　「今日を愛する。」、 日清食品ホールディングス株式会社「おいしい、のその先へ。」などが商標登録されています。ただし、宣伝広告や企業理念・経営方針等としてのみ認識されるものや他者の商標と類似するものは、登録が認められません。

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Q.5カフェのラテアートのデザインが著作権法で保護される場合がある。

あなたの解答：　正しい解答：○

著作権法では、「著作物」とは「思想または感情を創作的に表現したもの」と規定されています。カフェのラテアートは一時的な表現であり、一般的なデザインであるハートやリーフなどの定型的な模様には創作性が乏しいため、カフェのラテアートのデザインは著作物としては認められ難いと考えられます。しかし、ラテアートのデザインが独創的であって創作性が認められるのであれば、当該デザインについては著作物として著作権法で保護される場合があります。

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Q.6服のデザインは、意匠登録できない

あなたの解答：　正しい解答：×

特許庁における審査で、服のデザインに新規性と創作非容易性があると認められれば、意匠登録を受けることが可能です。 例えば、既存の衣服のデザインとは異なり、新しい模様や形状の構成がなされ、当業者が容易に創作できないと評価されるデザインであれば、意匠権によって保護されることがあります。 ただし、単なる機能に基づいた形状や、ごく一般的なデザインは、意匠登録の対象となりません。

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Q.7他人の特許権の存在を知らずに、同じ発明を実施していた場合は、特許権の侵害になることはない。

あなたの解答：　正しい解答：×

基本的には、他人が特許権を取得している発明を知らなくても、その発明を実施していた場合は、侵害になります。 侵害になれば、その実施行為の中止を求められます。 また、その実施の行為について過失があったものと推定されるため、損害賠償を請求される可能性があります。 ごく例外的に、先使用権という権利を持っていれば特許侵害にならない場合がありますが、判断が難しいため、普段から弁理士に相談するようにしましょう。

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Q.8スマートフォンアプリのアイコンも意匠登録できる場合がある。

あなたの解答：　正しい解答：○

見た目に特徴があり、デザインとして保護する価値があるアプリアイコンは、意匠として登録できる可能性があります。例えば、特定の形状や色使いが特徴的なアイコンは、意匠権によって保護されることがあります。これにより、他者による類似デザインの使用を防ぐことができます。

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Q.9小学生の発明でも特許権が取れる。

あなたの解答：　正しい解答：○

特許法では、発明者の年齢や職業に制限は設けられておらず、発明の内容が特許の要件（新規性・進歩性など）を満たしていれば、誰でも特許権を取得できる可能性があります。例えば、小学生が発明した空き缶分別箱、洗濯バサミ収納具などの、特許権が登録されています。

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Q.10他人が描いた絵を模写して、誰でも見られるSNSに投稿したが、自分が描いた絵なので著作権法上の問題はない。

あなたの解答：　正しい解答：×

（「他人が描いた絵」の著作権が消滅していない場合） 模写は、著作権法上「複製」に該当し、原則として著作権者の許諾が必要です（著作権法第21条）。ただし、「私的使用のための複製」（同法第30条）に該当する場合は、著作権者の許諾なく行うことが認められています。 つまり、絵の練習のために他人の絵を模写すること自体は、許諾なく行うことができると解されます。 しかしながら、今回の場合のように、模写した絵を、不特定の者が見ることのできるSNSに投稿する行為は「公衆送信」に該当するため、著作権者の許諾なく行えば、著作権（公衆送信権）（同法第23条）の侵害となります。

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