支援活動だより193_CTP
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4 知的財産支援活動だより2018年8月号(No.193)「弁理士知財キャラバン事業」について知的財産経営センター統括副センター長 須藤 浩1.はじめに 弁理士知財キャラバン事業は平成27年度から開始され、今年度で4年目となります。開始当初から2年間はキャラバン統合ワーキンググループによって弁理士知財キャラバン事業を運営していました。昨年度は、新たに設立された知的財産経営センター内に設けられたキャラバン事業本部で対応しました。そして、本年度は、知的財産経営センターの組織変更によって企業支援事業本部内にキャラバン事業部が置かれることになり、このキャラバン事業部による対応となりました。 弁理士知財キャラバン事業は、コンサルティングのスキルを持った弁理士が様々な悩みを抱える中小企業を訪問し、その中小企業の知財経営を支援する事業です。2.弁理士知財キャラバン事業の意義 弁理士知財キャラバン事業には、主に3つの意義があると考えています。 1つ目は、日本弁理士会が知財経営の観点から中小企業を無料で支援するという社会貢献活動としての意義があります。知的財産に関する中小企業の支援は様々な組織・団体が行っていますが、知的財産に関する専門家である弁理士が日本弁理士会の枠組みの中で直接支援するということは、社会の要請に応えるものであると考えています。 2つ目は、知財経営コンサルティングは弁理士の職域であるということを広く知らしめるという意義です。特に中小企業をクライアントに持つ弁理士は、昔から知財経営コンサルティングを行っていたと思いますが、出願業務等の付随業務としてサービス的に対応していたように思います。日本弁理士会として組織的に実施することで、知財経営コンサルティングそのものが弁理士の職域であり、特許や商標の出願をするか否かも決まっていない新規事業の初期段階や会社の立ち上げ時から弁理士にサポートを依頼するとよいということを広く一般に周知することができるものと考えています。 3つ目は、弁理士知財キャラバン事業を通じて、知財経営コンサルティングを得意業務の一つとする弁理士を育成するという意義です。知財経営コンサルティングに関する質の高い研修プログラムを用意し、その研修を修了した弁理士を中小企業に派遣するという仕組みとしているため、知財経営コンサルティングに関する知識を多くの弁理士に習得させることができるようになります。また、研修により得た知識と経験を持って、弁理士知財キャラバン事業によって派遣された中小企業に知財経営コンサルティングを行ったり、自身のクライアントに知財経営コンサルティングを行うことによって、知財経営コンサルティングの実務経験を積んでいくことができます。

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