支援活動だより188_webbook
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20 知的財産支援活動だより2018年2月号(No.188)1.日  時:平成29年12月2日(土) 13:30~16:002.場  所:名古屋商工会議所 3階第5会議室3.実施者:主催・運営:日本弁理士会東海支部4.内  容:意匠制度の概説~産業デザインの保護~5.対象者:一般市民、中小企業者、知財担当者など(58名)6.担当部署:日本弁理士会東海支部 知的財産権制度推進委員会7.講  師:日本弁理士会東海支部 知的財産権制度推進委員会       副委員長 岡田康一 委員 野崎仁嗣8.コメント:前半:「意匠法の特徴的な制度と産業デザインの多面的な保護」(担当:野崎仁嗣) セミナー聴講者が初級者から上級者まで幅広くいらっしゃるということでしたので、セミナー前半では、先ず、初級者を意識して、意匠法の概要を簡単に説明した後、意匠法に規定されている特徴的な制度について説明しました。 意匠法の特徴的な制度としては、部分意匠、画像の意匠、組物の意匠、関連意匠、秘密意匠を挙げ、それぞれについて、意匠公報で開示されている実例を用いて、その内容及び留意点について説明しました。この際に挙げた実例として、久光製薬のフェイタスやトヨタ自動車のアクア等、身近な実例を用いたことで、セミナー聴講者の興味を惹くことができたように思います。 続いて、中上級者を意識して、産業デザインの多面的な保護に関する説明を、実例を挙げつつ説明しました。具体的には、意匠法と特許法によって多面的な保護を図っている例(2件)と、意匠法と商標法によって多面的な保護を図っている例(1件)を挙げ、産業デザインを創作した場合には、意匠法による保護だけでなく、その他の法域での出願の要否も検討するとよい旨を説明しました。 最後に、意匠法に関するセミナーを行う上では、意匠の具体的な構成を把握しやすい身近な実例を用いると、セミナー聴講者の理解を助けることができるように思います。後半:「意匠裁判例」(担当:岡田康一) 平成28年の裁判例のうち、登録意匠と被告意匠との類否が争われた侵害訴訟2件(判決=類似1件、非類似1件)、拒絶査定不服審判に対する審決取消訴訟1件、意匠無効登録審判(無効審決)に対する審決取消訴訟1件の計4件を紹介しました。 侵害訴訟については、形態が比較的単純な意匠を選び、要部認定から共通点、差異点の認定、対比に至る類否判断のプロセスを具体的に説明しました。また、添付資料として判決の抜粋を配布し、判決の記載パターンについても簡単に紹介しました。聞いてみたところ、特許情報プラットフォームから公報をダウンロードしたことがある人は半数くらいいましたが、裁判所のホームページから判決をダウンロードしたことがある人は数名のみでした。裁判例を扱うセミナーでは、一部でも実際の判決を見ていただくと効果的であるように思います。 拒絶査定不服審判に対する審決取消訴訟では、物品「容器付冷菓」の一意匠一出願の判断に関する「やわもちアイス(井村屋)」の裁判例を扱いました。普段スーパー等で目にする商品が対象になっており、知財裁判を身近に感じていただこうとという狙いで選定しました。また、この商品は特許、商標登録も取得しており、前半講義のテーマである「産業デザインの多面的な保護」の一例にも該当します。このような身近な商品は、休日パテントセミナーの題材として有効であると思います。東海支部 知的財産権制度推進委員会 副委員長 岡田康一                  委員 野崎仁嗣「第6回休日パテントセミナー2017in名古屋」セミナーの様子

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