支援活動だより187_webbook
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知的財産支援活動だより2017年12月号(No.187) 25 「パネルディスカッション」 三会のパネリストより各士業の業務内容について紹介をした後、フォーリー氏の講演についてそれぞれが感想を述べた。華山会員からは第2創業の時期に特許を出願して現在のビジネスにつなげており、優れたビジネスモデルであるとの指摘があった。 次に、スタートアップ時の士業の関与について議論した。和田林会計士からは、シルバー社のような開発型の企業は多額の初期投資が必要なのでVCによる出資を受けることが多く、VCにアピールできるビジネスプラン作成において会計士が支援できるとの指摘があった。藤原弁護士からは、他者から提供された契約書は相手側に有利なことが普通であり、それが将来的なビジネスの妨げとなりうるので、弁護士の確認を受けることが好ましい、との指摘があった。 フォーリー氏からは、ベンチャー企業の後ろにVCがついている現状があり、屠殺場に行く家畜とならないよう、士業にはVCの側ではなく企業の側に立って支援して欲しいという、実感のこもった指摘があった。 成長段階の企業に対する士業の関与として、藤原弁護士、和田林会計士から、上場を睨んだ管理体制について助言できることが指摘された。 IPO段階の士業の関与に関連して、コーディネータの辻村会員がIPOのメリット・デメリットについて質問し、フォーリー氏より、メリットとしては、投資から自由になったこと、会社の評判、求人、資金調達に有利でビジネスを進めやすくなったことが挙げられた。一方、デメリットとして、人・コストのリソースが取られ大変だったこと、コンプライアンス維持にも人・コストが取られ、会社の機動力が損なわれることが指摘された。近畿支部知財普及・支援委員会 阿部寛志

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