支援活動173_webbook
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4 知的財産支援活動だより2016年8月号(No.173)知的財産教育用コンテンツの紹介知的財産支援センター 第1事業部部長 千原 清誠1.はじめに 皆さんは、ご存知でしょうか。 日本弁理士会のホームページに以下のボタンがあることを。 第一事業部は、小学校、中学校および高等学校における知財教育支援を行っています。 第一事業部における知的財産教育は、これまで、知的財産に関する専門家である弁理士が学校に赴き、授業を行うことを主としてきました。そして、現在、弁理士による知的財産出張授業の周知化、弁理士による知的財産出張授業の質の向上、バリエーションの拡充などを進めているところです。 一方、児童・生徒の数は、約120万人/学年であるのに対して、弁理士が直接教育できる児童・生徒の数は、年間5000人程度(100校程度×@50人程度)に限られます。このため、より多くの児童・生徒に対する知財教育を促進するためには、学校教員の方々が容易に知的財産に関する授業を行うことができるようにすることが重要であると考えています。 ここで、知財財産教育の目的は、大まかに下記の三つに集約されます。目的1:知的財産権制度の尊重(主として小学校)    模倣品が世の中に出回ると、創作者のモチベーションを維持するのが難しくなり、社会の進歩が止まってしまいます。そのために、創作者には独占権を与える制度があることの理解を図る必要があります。目的2:知的財産権制度の利用促進(主として中学校、高等学校)    知的財産権制度の種類や各制度の仕組みの理解とともに、企業の経済活動において知的財産権が不可欠なものであることの理解を図る必要があります。目的3:創造性の向上(小学校、中学校、高等学校)    一つの課題に対してその解決手段は多種多様であり、その課題解決のために独自のアイデアを生み出す経験を通じて、創造性の向上を図る必要があります。 第一事業部は、上記の目的を達成するべく、様々な知的財産教育用コンテンツを作成してきました。しかし、従来は、主として弁理士が学校に赴き、授業を行うことを想定しており、授業の完成度は、派遣される弁理士の力量に左右される状況にありました。そのようなコンテンツは、知的財産権について専門的な教育を受けていない学校教員の方々が、そのまま使用することは困難な状況にありました。 そこで、第一事業部は、学校教員の方々が容易に知的財産教育を行うことができるように、新規コンテンツの作成および既存コンテンツの学校教員向け改良を行ってきました。 本報では、第一事業部が過去数年間に作成・改良してきました、学校教員の方々が知的財産教育を行うためのコンテンツ(知的財産教育用コンテンツ)を紹介します。2.知的財産教育用コンテンツの紹介(1)「先生のための知財のひきだし」について 高校・高専の学習指導要領には知的財産権について指導するように規定されていますが、学校教員の方々が、知的財産教育を容易に行える状況であるとは言いがたいと考え

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