支援活動だより160号_webbook
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12 知的財産支援活動だより2015年5月号(No.160)① 特許編「アップルと戦った男たち」 特許編では、クリックホイールと呼ばれるスイッチを採用したアップル社に対して特許権侵害訴訟を提起した個人発明家の事例が紹介されました。この事件は、一審、二審とも特許権者である発明家側が勝訴し、現在は上告中となっている現在進行中のものであります。 まずは、事件を担当した弁護士の上山浩氏により、事件の概要・経緯・内容が説明されました。その後、発明者の齋藤憲彦氏(株式会社齋藤繁建築研究所)も加わり東海支部の加藤光宏(知的財産権制度推進委員会副委員長)のコーディネートの下、パネルディスカッションが行われました。 「小さなアリが巨象を倒す!」などと報じられて話題となった注目の事件に関し、大企業相手のライセンス交渉から訴訟まで、その困難さや凄まじさの一端を当事者から直接聴くことができた貴重な講演でありました。② 意匠編「デザイン・ブランド・知的財産、ユニオンの知財戦略について」 意匠編では、株式会社ユニオンの事例について、ユニオンの知財担当係長である宮本尚幸氏によって講演が行われました まず、「企画・設計」および「流通・販売」に付加価値を見いだすことを重要視している点、「デザインへのこだわり」、「品質へのこだわり」、「ブランドへのこだわり」という3つのこだわり、などのユニオンの企業活動の特徴が説明されました。その後、ユニオンが行っている様々な知財戦略が説明され、社長直轄の開発部が知財を担当するという社内体制、独特な提案制度やロイヤリティ契約、全社横断的に組織されましたパテント会議、独自の模倣品対策など、様々な知財戦略が詳細に説明されました。特に、企業で知財活動を行っている者にとって非常に興味深い内容が随所に盛り込まれていた講演でありました。③ 商標編「ものづくりは、演歌だ。~おもしろネーミングに見る商標戦略!~」 商標編では、株式会社筑水キャニコムの事例について、代表取締役会長である包行均氏によって講演が行われました。 まず、運搬車や草刈機などの産業用機械を製造販売する企業の特徴、お客さんの「ぼやき」を大切にする企業理念、マスコミを利用した営業戦略などが説明されました。更に、草刈機MASAO、三輪駆動静香などの「おもしろネーミング」によるブランド戦略、ブランドを高めるカタログ戦略、「たかいけどいい」ものづくりなど、筑水キャニコムが独自で行っているブランド戦略、技術戦略につきまして、映像や面白いトークを交えながら講演が行われました。一般的に知財関係者がネーミングにまで関わる機会は少ないため、多くの聴講者にとって日頃聴くことのできない貴重な講演であったように感じます。 以上のように、3つのカテゴリで講演が行われましたが、いずれの事例も、いままでのセミナーであまり取り上げられていない成功事例であり、個人や中小企業が知的財産権制度をうまく活用した事例でありました。 多くの聴講者にとって明日からの知財活動の参考になる話題が多分に盛り込まれ、非常に有意義な講演でありました。東海支部知的財産権制度推進委員会 副委員長 鈴木 和政

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