支援活動だより156_WebBook
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8 知的財産支援活動だより2014年11月号(No.156)グラムの商標、位置の商標などが、それぞれ具体例を挙げて説明されました。また、留意事項に関して、本来的な識別力の有無に係わる自他商品・役務識別力に関する規定(第3条ほか)、出願審査や、権利範囲に係わる商標の同一・類似性に関する規定(第4条ほか)、商標の特定の仕方に係わる出願方法に関する規定(第5条ほか)の説明もなされました。併せて、平成27年3月には、特許電子図書館(IPDL)が刷新され、「色彩」や「音」等の新しいタイプの商標にも対応した「特許情報プラットフォーム」サービスが提供される予定であることなども紹介されました。さらに、その他の改正点である、地域団体商標の登録主体の拡充、国際機関の標章と同一・類似の商標の適切な保護、商標的使用についての明文化などについても説明されました。 パネルディスカッション及び質疑応答では、意匠法改正に関して、特許についての国際出願との対比が採り上げられ、移行手続は必要ないことや、拒絶査定になる場合でも出願意匠は公開されることになるので注意が必要であることなども補足説明されました。特許法改正に関しては、特許異議の申し立てと無効審判との使い分けについて質問され、両制度の違いから想定される使い分けの例が説明されました。商標法改正に関しては、経過措置や、動きの商標における動き全体と各動作姿態との関係、登録対象となる音の長さの制約の有無、メロディーと、そのメロディーを一部に含む一連の音との関係などについて質問され、今回の法改正では経過措置はないことや、新しいタイプの商標でも、基本的には、文字商標の要部認定などに準じて考えることができるであろうことなどが説明されました。 以上のように、今回の法改正について、詳しい内容を含みながらも、改正の背景や具体例などを含み、幅広い参加者に解りやすい解説がなされたセッションだったと思います。

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