支援活動だより153号
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知的財産支援活動だより2014年8月号(No.153) 9 8月までの支援活動11.日  時:平成26年7月8日(火) 10:45~12:352.テーマ:アントレプレナーシップ教育での知的財産権について3.主  催:日本弁理士会東北支部4.場  所:山形県米沢市立第二中学校(山形県米沢市林泉寺2丁目2−5)5.出席者:第二学年の生徒全員(145名)6.内  容: 米沢第二中学校では、週2回の「総合的な学習の時間」で、アントレプレナー育成の授業を行っています。何人かのグループで会社を模擬的に設立し、あたかも実際の会社のように、社長、副社長を置き、事業計画を立て、資金繰りを検討し、商品開発を行っています。とても実践的な取り組みで、本物の銀行員に事業計画をプレゼンして資金を調達する大変さを学び、今回の授業のように知的財産権の専門的な知識を身につけ、最終的には、実際に商品を自分たちで製作して地域で販売します。 2時間の授業のうち、最初の1時間は、知的財産制度全般、特に、著作権、特許権、意匠権、商標権制度の解説を行いました。できるだけ身近で具体的な事例をあげて、どのようなものが保護対象になるか、権利はどのように発生するのか、保護期間はそれぞれどうなっているのかなど説明しました。著作権は普段から国語の授業でも取り扱っているとのこと、私的利用や引用について正しく理解している生徒が多く感銘を受けました。「2次著作物を創作したい場合は、どのようにしたらいいのか?」といったさらに専門的な質問もありました。 2時間目は、経営者として知っておきたいビジネスモデルと知財戦略マネジメントについて解説しました。まず、ビジネスモデルキャンバスというビジネスモデルの見える化ツールを使って生徒の各会社のビジネスモデルをどのように記述するのか?どのように人に説明するのか?について説明しました。そして、知的財産がビジネスモデルにおいて、どのような役割を果たしているのかを把握し、どのように知的財産を管理・運用していくのか概略を説明しました。少し難しい内容でありましたが、会社経営においては、ビジネスモデルの枠組みのなかで知的財産を考えることの重要さは伝わったと思います。 また、担当の先生の要望により、IPDLを使って、生徒の各会社で開発中の商品のネーミングが他人の商標権に抵触していないかを調べました。残念ながら同じ登録商標が見つかってしまった子、かろうじて逃れた子(※商標同一、指定商品非類似など)、みんなの悲喜こもごもが印象的でありました。 生徒は自分で会社を経営しているつもりで授業を聞いてくれたのでとても反応がよく、授業後10名以上の生徒から質問やコメントを返してもらえました。また、担当の先生には大変喜んでいただき、来年また是非来て欲しいとおっしゃって頂けたのは大変光栄でした。東北支部 木下 忠「知的財産特別授業」米沢市立第二中学校

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