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独自デザインの玩具を開発販売し、著作権で保護できると思い込み。
しかし、他社が類似デザインの製品を発売した!

優れたデザインは、製品がヒットするには欠かせない要素です。
しかしそのデザインの独自性は、どうやって守られるのでしょうか。
経営者も意外と知らないそのポイントを、詳しく解説します!

デザインを保護する法律は、大きく二つ
意匠法と著作権法、その違いとは!?

東京下町にあるメーカーのA社の山田社長は、アイディアマン。“子供達が笑顔になるおもちゃ作り”をコンセプトに、ユニークな玩具を世に送り出してきました。

三カ月前に山田社長自身が考え出した奇抜なデザインの三輪車は、従来の三輪車にはない近未来的なデザインで子供の人気を集め、爆発的に売れました。そしてテレビや雑誌に取り上げられるようになり、いろんな経営者仲間からも羨ましがられるようになりました。

そんなある日、経営者同士の会合で以前から仲の良い他業種の事業を経営する社長から、声をかけられました。

「山田さん、売れてる三輪車のデザインを真似されない対策はちゃんと打ってあるの?」

「大丈夫だよ。著作権法で守ってあるから」

その時はそう答えた山田社長でしたが、万が一何かあっては困ると思い、知り合いに弁理士さんを紹介してもらい相談しました。

「我社の三輪車のデザインは著作権法で保護されていると考えているのですが、大丈夫でしょうか」

「社長、デザインを保護する法律は、著作権法と意匠法があります。社長が仰っている著作権法は、主に小説や絵画、音楽などの思想又は感情を創作的に表現したものが保護の対象になりますが、工業デザインのような実用品のデザインについては、一品制作の美術工芸品を除いて保護されません。このような工業デザインの保護は、意匠権の範疇となります。

山田社長が生み出された三輪車は、正に工業デザインですから、意匠法の対象になるのです。意匠権は所定の形式に従い、特許庁に出願し登録しなければ発生しません。今のままだと、他社に真似されても何もできない状態です。また、販売開始して一定期間であれば意匠登録は可能です。」

焦った山田社長は、すぐさま弁理士に意匠権登録出願の依頼をしました。

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