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ヒット商品を支えた知的財産権 Vol.20
「英語学習用ポータブルCDプレーヤー」

特許第2581700号、商標登録第2391843号、3197273号

 「特許がなければ、会社もあり得なかった」。社名と同じ名前の英語学習用ポータブルCDプレーヤー「リンガマスター」(登録商標)は、同社の関口博司社長の体験から生まれた製品である。

 リモコンのボタンを押すだけで、自然な英語・ゆっくりした発音の英語・日本語訳・日本語解説の四通りの音声情報に瞬時に切り替えられることが特徴。そして、この特徴を有する再生装置、再生方法、及び記録媒体についての特許を同社は取得している。特に、「記録データに特徴を有する記録媒体の特許としては日本国内のリーディングケース」(代理人弁理士)でもある。

 同社長は新製品開発を請け負う技術開発会社も経営する。今から16年ほど前、得意先が米企業との特許トラブルに巻き込まれ、ITC(米国際貿易委員会)の証言台に立った。相手方弁護士の尋問は苛烈で、十分な英語力や特許などの法律知識がなければ米国企業と渡り合えないことを思い知らされた。

 帰国後、昔買った教材を引っぱり出したり、更に新たな自習教材を買ったりして、ヒヤリング力を強化しようとした。その頃、英語の自習機器といえば、カセットテープ式が一般的だった。カセット式は巻き戻し操作が煩わしく、聞きたい個所をただちに引き出せるわけではない。関口社長はもともと電子技術者。操作に時間を取られることなく、ヒアリングに専念できる装置の開発を思い立ち、その知識と技術を生かして完成させたのがリンガマスター。1986年秋、最初の特許出願を行った。

 当時、日本では、まだ媒体特許が認められたケースはなかった。関口社長は、ITCで証言した体験などから米国の特許事情に詳しいことや、代理した弁理士の予測により、「米国で認められたものは五〜十年後には必ず日本でも認められる」と確信を持った。しかし、すぐには企業化せず、じつと権利化を待った。功をあせってコピー商品の攻勢に見舞われたら、それまでの苦労が水の泡になると考えたからである。曲折はあったが結局、出願から十年目の96年11月に特許権が成立し、翌97年5月に満を持して新会社を立ち上げた。

 当時、日本では、まだ媒体特許が認められたケースはなかった。関口社長は、ITCで証言した体験などから米国の特許事情に詳しいことや、代理した弁理士の予測により、「米国で認められたものは五〜十年後には必ず日本でも認められる」と確信を持った。しかし、すぐには企業化せず、じつと権利化を待った。功をあせってコピー商品の攻勢に見舞われたら、それまでの苦労が水の泡になると考えたからである。曲折はあったが結局、出願から十年目の96年11月に特許権が成立し、翌97年5月に満を持して新会社を立ち上げた。

(取材協力 リンガマスター(株) 代理人 長谷川芳樹弁理士)

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