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2009年 会長年頭所感

 日本弁理士会会員の皆様、新年明けましておめでとうございます。新しい年の門出に際しまして、一言ご挨拶を申し上げます。

 昨年は、皆様のご支援により、予定通り会務を進行できましたことに厚くお礼申し上げます。昨年4月に始まりました会員の継続研修は最大の懸念事項でした。8000人近い会員が全員、5年間で70時間の義務研修を受講するために準備対応しなくてはならないプレッシャーは想像を超えるものがありました。

 しかし、研修所を中心とする周到な計画と、その後の対応のお蔭で極めて円滑に運営されています。それにも増して、大変有難いのは、会員の皆様の積極的な態度です。今回の弁理士法改正の趣旨を充分に理解下さり、積極的に研修を受講し、弁理士のレベル向上と、弁理士の責任を果たされる意思が極めて強いことを実感しました。これにより、弁理士業界全体の品質は一段と向上しているとの熱い思いが込みあげてきます。


日本弁理士会
会長 中島 淳

 本年度は、「プロフェッショナルの真価を発揮しよう!」をスローガンに活動方針を定め、会務を実行しています。弁理士の本来業務はより高く、周辺関連業務はより広く対応する必要があります。本来業務である特許などの出願業務において、専門職としての高レベル業務とはどのようなものであるかは各専門委員会で対応しており、皆様とその成果を共有しつつあります。権利化業務の下流にある知的財産の利用活用分野において特定侵害訴訟に対応する付記弁理士は2000人に達しています。知的財産価値評価や仲裁業務の研究や研修も各センターにより積極的な対応が進んでいます。権利化業務の上流にある知的財産創造支援業務や知的財産ビジネス支援のための人材育成についても、知財ビジネスアカデミーなどが積極的に対応しており、知的財産総合アドバイザーとして育った弁理士は1000人を超えていると信じます。特許事務所の適切な運営、コンプライアンス向上、事務所内補助者のレベル充実も着々と進んでいます。これら研修などの成果は、日本弁理士会の本部、支部、支援センター、国際センターなどを通じて会員による社会全体の知的財産力向上支援の輪として拡大しており、広く社会の認めるところとなっています。

 弁理士のレベルアップといえば、会員である弁理士もさることながら、これから弁理士になる新人の研修である実務修習も大きな課題です。本年度からは弁理士試験に合格しても、所定の実務修習を経なければ、弁理士登録をすることはできません。せっかく弁理士試験に合格した新人にとっては、大変なハードルと思われます。しかし、既存弁理士の継続研修に加え、新人が実務修習を経てから弁理士登録をする意義を充分に認識してこそ、弁理士全体の飛躍的なレベルアップに繋がるものです。この面からも、弁理士会研修所の皆様のご努力は大変なものがあり、感謝の言葉には限りがありません。

 弁理士制度は本年度で110年を迎えます。弁理士制度が今後とも、日本社会にとって益々有益なものであり、その結果、知的財産立国を通じて日本の産業、経済が飛躍的に発展し、日本国民の知的財産レベルが世界をリードできる時代になることを念じております。その成否は日本弁理士会会員の全員が担っており、かつその実力を有していると信じます。今後も日本弁理士会と共に弁理士道を極めるよう一緒に頑張りましょう。

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