2014年4月14日

平成26年度 記者会見(平成26年4月14日開催) 報告書

■日 時:平成26年4月14日(月)11:00~12:00

■場 所:東京倶楽部ビル14階 14-A会議室

■テーマ:

  • <会長挨拶>平成26年度日本弁理士会活動方針・弁理士法改正について
  • <ポイント解説>特許法・意匠法・商標法改正について

■出席者:

  • 会     長  古谷 史旺(スピーカー)
  • 副  会  長  北村 修一郎
  • 執 行 理 事  鳥居 和久
  • 執 行 理 事  小川 嘉英
  • 平成25年度特許委員会 委員長  太田 昌孝(スピーカー)
  • 平成25年度意匠委員会 委員長  峯  唯夫(スピーカー)
  • 平成25年度商標委員会 委員長  神林恵美子(スピーカー)
  • 広報センター センター長  福田 伸一
  • 広報センター 副センター長  井澤  幹(司会)
  • 広報センター 副センター長  大田 英司
  • 広報センター 第2事業部長  網野 誠彦
  • 広報センター 運営委員  桐山  大
  • 広報センター 運営委員  大谷 仁郎

■議 事:

1.開会挨拶(井澤 幹)

  • 本日のテーマにある改正法については、国会審議中である旨の説明。
  • 配布資料の確認。

2.「<会長挨拶>平成26年度日本弁理士会活動方針・弁理士法改正について」(古谷史旺)

弁理士育成塾
  • 弁理士の底上げを進めるための施策。
  • 短期間の登録前研修のみで、一人前の弁理士となる技量(明細書を書く力)を得るのは困難であると考える。
  • そこで、昨年11月より「弁理士育成塾」(パイロット版)をスタート。経験20年以上のベテラン弁理士が講師となり、ベテラン弁理士の匠の技を未経験の新人弁理士に寺子屋形式で育成していくというもの。
  • 26年度は25年度(パイロット版)の実績をもとに、新たに塾生の募集をスタートさせる。
弁理士法改正について
  • 産業構造審議会弁理士制度小委員会の報告書を基に、法案が作成された。本法案は、参議院先議となり、参議院では4月2日に本会議で可決されている。衆議院での審議はまだ行われていない。
  • 弁理士制度115年の歴史のなかで、初めて「使命」の条項が入る。
  • 「使命」の条項においては、弁理士は「知的財産に関する専門家」である旨が記載される。
  • 弁理士の業務に「相談」がしっかりと位置づけられることが見込まれている。これにより、より積極的に相談に応じることができるようになる。
中小企業支援について
  • 日本の企業421万社のうち420万社は中小企業。弁理士が中小企業のいわば知的財産部としてサポートすることで、日本経済を活性化していきたい。
  • 弁護士や税理士・中小企業診断士等、他の専門家とも連携して、事業を進めて知的財産に限らず、幅広い相談に応じられる体制を作りたい。いわば「知財支援テラス」のようなものを考えている。

3.「<ポイント解説>特許法・意匠法・商標法改正について」(太田 昌孝・峯  唯夫・神林 恵美子)

(1)特許法

●救済措置の拡充(以下のような措置が導入される)

  • 出願審査請求期限を徒過した際に、正当な理由があれば救済される措置。
  • 優先権の回復等に関する措置。
  • 自然災害等のときにおける手続期間に関する救済措置。

●異議申立制度

  • 諸外国にも同様の制度あり
  • 特許掲載公報の発行の日より6ヵ月以内であれば、何人も異議の申し立てが可能。
  • 取消理由通知に対し特許権者が訂正請求をした場合、申立人に意見書提出機会が与えられる。
  • これにより、無効審判の請求人が利害関係人のみとなる(これまでは原則何人も可)。
(2)意匠法(ハーグ協定への加入に向けて)

●現状

  • 意匠法については、特許法・商標法にあるような、国際意匠登録出願というものはなく、各国ごとに行われていた。
  • 意匠登録においては、審査国・無審査国があり、制度の国際統一は困難。
  • ハーグ協定加盟国は、46の国及び機関で、そのほとんどが「無審査国」。
  • 今回の改正はハーグ協定への加入に向けた国内法の整備。

●ハーグ協定による「国際意匠登録出願」

  • 出願は「WIPO」へ「英語」で行う。

●特別な取扱い

  • 現状の意匠法では1出願1意匠。一方国際意匠登録出願では、1つの出願で100までの意匠を含めることができる。
  • 日本に入ってきた国際出願は、意匠ごとに個別の出願として扱う。権利も個別。
  • 改正法が成立し、ハーグ協定に加入となった段階で制度が変わることとなる。
(3)商標法

●保護対象の拡充(新たに下記の商標が保護対象となる)

  • 動き
  • ホログラム
  • 輪郭のない色彩(※現行法でも文字や図形と結合したものは保護される)
  • 位置

 世界的にみると、今回導入する商標を既に導入している国や地域は多々ある。

●地域団体商標の登録主体の拡充

  • 商工会、商工会議所、特定非営利法人が新たな対象になる。
  • ご当地グルメ等、地域ブランドの普及の後押しになるのでは。

4.質疑応答

(1)経済産業省や特許庁の実施しようとしている制度改正の方向性は正しいと感じるか。

  • 出願人に優しい制度にすべくなされるものであり、正しいと感じている。

(2)弁理士育成塾受講生からはどのような意見が出ているのか。

  • 非常に実力が身に着くとのコメントが得られている。宿題・添削を繰り返し実施するスタイルによる成果であると考える。

(3)知的財産に関する制度の国際的統一についてどう考えるか。

  • 出願人にとって費用負担がかからない制度設計は当然考えられるもの。これが時代の潮流であれば、我々はそれに向かって対応していく。

(4)「知財総合支援窓口」と「知財支援テラス」の相違点は

  • 「知財総合支援窓口」は中小企業に活力を与えるべく、47都道府県すべてに設置され、弁理士も常駐している。「知財支援テラス」はまだ構想段階だが、幅広い相談に、他士業との連携のもと、的確に対応するもの。

5.閉会挨拶(井澤 幹)