支援活動だより178_webbook
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38 知的財産支援活動だより2017年2月号(No.178)1.日  時:平成29年1月10日(火) 16:20~17:502.場  所:三重大学 共通教育棟1階 101教室3.実施者:主催 日本弁理士会東海支部 運営 三重大学4.内  容:知財にかかわる紛争の様子を疑似体験する。5.対象者:学部(学士課程) :1年次,2年次,3年次,4年次 約25名6.講  師:教育機関支援機構 機構長 瀧川彰人 副機構長 高田珠美       運営委員 古田広人、北裕介、菊谷純、松嶋俊紀7.コメント: 同校での知的財産出前授業は、毎年ご依頼を頂いており、今回で4回目となります。三重県において知財教育に力をいれている先生方の熱意により、毎年この時期に、紛争劇上演のご依頼を頂いています。 同校では、知的財産に関する講義が行われていることから、生徒さん達は知的財産に関する基礎的な知識を持っているようでした。授業では、紛争劇に先立ち、基礎的な知識のおさらいも兼ねて、紛争劇でポイントとなる特許法の知識を北先生が説明しました。具体的には、特許を取得するためには出願書類を作成する必要があることや、その書類に基づく特許庁における審査、さらには先使用権などについて説明しました。コクヨの「カドケシ」や、越後製菓の「切り餅」を例示して説明しました。「切り餅」事件の実際の損害賠償額を聞いた学生さん達は、みな驚いていました。具体例があると、イメージがわきやすいのだと思います。 続く紛争劇は、それぞれ異なるおにぎりパックの発明者高田パリ子と、発明者松嶋のり男とが争う形式で、模擬侵害訴訟のような形式で行うものです。配役は、発明者の他に、それぞれの発明者の代理人としての弁理士と、レフェリーと、解説者がいます。 双方の主張に対してレフェリーが判断し、○の数が多い方を勝利とするものです。劇では、特許の取得までの流れ、侵害判断、先使用権、特許無効、そして最後にクロスライセンスが話題にあがります。紛争劇の途中、進歩性の判断について生徒さん達に質問を投げかけてみると、的確な回答が返ってきました。生徒さん達の熱心さが伝わってきました。 生徒さん達は、途中で笑い声がでるなど、紛争劇を観る目は真剣であり、また、和やかでした。 普段の講義とは異なる紛争劇を行うことにより、生徒さん達が知的財産についてさらに関心を持ってくれたものと思います。 紛争劇の終了後には質疑応答の時間を設けましたが、学生からの質問に加えて、講師の方からも突っ込んだ内容の質問を受けました。学生の方にも講師の方にも、特許制度や弁理士に興味を持っていただけたのではないかと思います東海支部教育機関支援機構 副機構長 高田珠美「知的財産特別授業」三重大学

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