支援活動173_webbook
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6 知的財産支援活動だより2016年8月号(No.173)生徒は、「発明」は、エジソンなどの天才がするものであり、自分自身が発明をすることは難しいというイメージを持っています。 ところで、近年、児童・生徒がインターネットに触れる機会は増えていますが、児童・生徒は、他人のホームページや電子掲示板に載っている文章や写真等を無断で使用してはいけないことを、ある程度理解しているものと思われますが、なぜそのような行為が禁じられているのかを、児童・生徒は十分に理解していないのが現状であると考えています。 発明工作授業は、発明を身近なものとして感じさせるとともに、発明品を作製する(アイデアを生み出す)体験を通じて、アイデアを尊重する意識を高め、知的財産権によるアイデアの保護の重要性を理解させることができるものです。 例えば、発明工作授業の一つの「片手で持てるかな?」は、ポップコーンを入れるための皿とジュースを入れるためのコップとを組み合わせた、片手で持てる新規の食器を、紙皿と紙コップと使って実際に製作する授業であり、近年、小学校などにおいて、人気の授業となってきています。発明工作授業には、その他、「ペーパータワー」、「はっぴょんをわたらせよう」などがあります。 発明工作授業は、児童・生徒に発明を身近なものであると感じてもらうとともに、発明品を作製する(アイデアを生み出す)体験を通じて、アイデアを尊重する意識を高め、知的財産権によるアイデアの保護の重要性を理解させることができるものであると考えています。具体的には、下記の流れで授業を進めています。(a)多くの児童・生徒は、作業時間の大部分(15分程度)を試行錯誤に費やし、残り数分で発明品の最終形状を決めます。(b)発明品の最終形状を見た他人が、同じ物を作製するのは簡単であること、そうされた場合、自分はいやな気持ちになることを理解します。いやな気持ちになるのはなぜか?を考えさせ、自分が行った試行錯誤の労力が無駄になるからであることに児童・生徒が気づくように導きます。(c)上記(b)の立場とは逆に、他人の発明品を自分が模倣した場合には、労力を費やすことなく簡単に他人の発明品を作製できることを理解します。しかし、他人の発明品を模倣する人ばかりになったら、発明に労力を費やす人が居なくなり、世の中の課題が全く解決しない(技術が進歩しない)事態になることに気づくように導きます。 発明工作授業を受講した児童・生徒は、アイデアを守る知的財産権があるのは、発明者が行った試行錯誤の労力を無駄にしないためであることを理解するものと考えています そして、第一事業部は、これらの発明工作授業を容易に行えるよう、「指導の手引き」、「配布用資料」などをホームページからダウンロードできるようにしています。「配布用資料」の一例「指導の手引き」の抜粋

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