支援活動158_webbook
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知的財産支援活動だより2015年2月号(No.158) 33 1.日  時:平成26年11月9日(日) 14:00~16:302.場  所:コラボしが213.テーマ:特許庁で10年間特許の審査をしてきたプロが教える賢い特許のとり方4.講  師:弁理士 奥村 一正 会員5.受講者:89名6.コメント: 今年で8回目を迎える滋賀でのパテントセミナー、午後の部では奥村一正会員による「特許庁で10年間特許の審査をしてきたプロが教える賢い特許のとり方」というテーマで講義をしました。休日であるにも関わらず、空席が見当たらないほど多数の参加者にご来場を頂きました。 講師の奥村会員は、25年近く大手電機メーカーで勤務した後、10年間、審査官として特許庁に勤務したという、異色の経歴の持ち主です。今回の講義では、審査官としての経験に裏付けされた賢い特許の取り方を包み隠さず伝授しました。出願する側と出願を審査する側、両方を経験した専門家の話を聞ける機会はそうそうなく、参加者にとり貴重な体験になったものと思います。 講義では、審査官も人間であることを奥村会員が繰り返し強調していたことが印象的でした。審査官が属する組織やノルマなど、審査官の業務の実態を解き明かすことに始まり、審査官はどのように明細書を読み、先行文献調査を行うのか、また、審査官はどのように査定への道筋をつけるのか、自身の体験も交えて詳しく話しました。審査の手順を知り、審査官の心理を知ることが明細書・請求項の強化や意見書等対応に、ひいては賢い特許に直結することが改めて強く感じられる、非常に密度の濃い内容の講義であったと思います。面接審査は審査官との意思疎通を図る有効な手段であるがゆえに、積極的に利用すべきであるとの助言も、審査官の実体験に基づくものであるがゆえに、参加者も改めてその重要性を認識されたことと思います。 加えて、請求項の立て方次第で担当審査室が変わる可能性があること、審査官は三行クレームの特許査定に慎重であること、明細書に生じる誤字脱字の問題など、審査官を経験したが故の本音のお話も飛び出し、会場は驚きの空気に包まれていました。 奥村会員の参加者に語りかけるような穏やかな口調に参加者はぐいぐいと講義に引き込まれ、会場の熱気が冷める間もなく、気がつけば終盤の質問時間になっていました。講義終了後も挙手質問が多く飛び出し、時間を少々オーバーしても丁寧に答える奥村会員の熱意がとても印象的でした。講義資料を余分に欲しいとの申し出が多かったことからも、今回の講義が参加者の心に残るものになったであろうことは想像に難くありません。近畿支部知財普及・支援委員会 大野 義也パテントセミナー2014 滋賀 午後の部講師:奥村 一正 会員会場の様子

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