思いついたアイディア=著作権と勘違い! | 社長の知財

特許や意匠の取得にまつわるあるあるシーン
あなたも知らず知らずのうちにやっていませんか?

画期的な発明や斬新なデザインを創作しても、他の企業に無断で利用されては意味がありません。
しかし実際には、そんなケースが結構あるのです。
そんな陥りやすい事例を、集めてみました。是非自社のチェックに活用下さい。

思いついたアイディア=著作権と勘違い!

昭和47年に九州の地で創業の株式会社スリーサークルプレスは、多数の熟練工を有する従業員数25名の企業でした。金属加工に関する高度な技術力と納期への柔軟な対応から発注先にとってなくてはならない存在で、日頃から納期に追われる日々が続いていました。

しかしY社長は現状に満足することなく、新たな自社製品の開発と販売を目標として掲げてきました。また製品開発には、知的財産権の知識が必要だとの助言を受け、身近な著作権についてのセミナーを受講しました。

そのセミナーで、「著作権とは著作物に関する権利であり、著作物の例として、創作的に表現された設計図が該当すること」を学びました。

最近になって、医療機器に関する課題を解決するアイディアを思いつき、若手とベテラン従業員を交えて検討した結果、念願の自社製品の開発に成功し、インターネットを通じて販売することになりました。

Y社長は、今回の独自なアイディアに基づく自社製品の設計図が、著作権で保護されるなら、当然に製品も保護されるであろうと考えていたので、特許権、実用新案権による保護は全く考えていませんでした。

初めての自社製品の販売でしたが、市場のニーズにマッチした結果全国から注文が殺到し、ヒット商品となりました。

しかし販売を始めてから半年経過した後に、突然売り上げが減少する傾向が見られたのです。そこで社員が調べたところ、東京のマネスルプレス株式会社から、同じアイディアに基づく製品が販売されていることを突き止めました。

早速Y社長は、弁護士にマネスルプレス株式会社への警告を依頼しようと、法律事務所を訪れました。しかしながら、そこには衝撃の結末が…。

弁護士から、「残念ながら製品のアイディア自体は著作権では保護されませんので、マネスルプレス株式会社の製品販売を止めることはできません。」と告げられたのです。

なお、弁護士は、「マネスルプレス株式会社の製品が、御社の設計図を無断でコピーして、その設計図に基づいて製品の販売をしているなら、設計図をコピーしたことに関してなら、著作権の侵害であると主張することはできます」と付け加えました。しかし、Y所長は、設計図の管理については特に慎重を期し、無断持ち出し、複製ができないようにしていたので、その可能性は限りなく低かったのです。