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<スペイン>ピカソの名前を含む商標は相続人にのみ属するものでない

〈スペイン〉

ピカソの名前を含む商標は相続人にのみ属するものでない

 スペイン最高裁判所の係争管理部は、Ann-Paloma Ruiz-Picassoの弁護士によって申し立てられたROUGE PICASSOの文字を含む商標の破棄請求について決定した(2002年10月4日)。

事件の概要

 高名なPablo Picassoの娘は、3つの商品区分(香水及び化粧品/エッセンシャルオイル・ヘアートリートメント・ケアプロダクト/バスソープ・ソルトアンドローション、スキンプロダクト)について、国際的な登録商標「Paloma Picasso」を所有している。事件は、PICASSO. S.A. 社がROUGE PICASSOの文字と赤色のシルエットカラーデバイスを含む複合的な商標の出願を、3つの商品(洗濯用漂白剤/クリーニング・ポリッシング・スカーリング・研磨用の製品/エッセンシャルオイル・化粧品・ヘアーローション・歯磨製品)関して行ったことに端を発したものである。この出願が提出されたとき、Rouge Picassoの商標所有者の一人は、商品の区分3に関してPICASSOの登録商標を有するJaime Picasso Marsalから正当な権限を得ていた。

判決

 最高裁判所は、事件当事者が自己の苗字を商標として登録出願した場合、その共通する苗字が他の特徴(ただし、識別力を有し且つ第三者の権利を減縮するものでない場合に限る。)を伴っていることを条件として、そのような苗字を含む標章は両方とも登録されると判決の中で述べ、Picassoの苗字はAnne-Paloma Ruiz-Picassoに独占的に所属するものなく、同一の苗字を有する者は識別力を有する他の特徴と共にその商品に当該苗字を用いることができると判示した。また、最高裁判所は、Paloma Picassoの周知性に関する証拠が一切提出されなかったことを別の理由として掲げている。いずれにしても、裁判所は、Picassoの名は周知かもしれないが、混同しない以上、それを含む別々の商標が共存することに何ら問題はないと判断した。

〈参考文献〉

BNA International Inc.

“World Intellectual Property Report”

‘Picasso Trademark Does Not Belong Exclusively to Artist’s Heirs’

(Page 11-12, Volume 16, Number 12, December 2002)

以上