先生のための(知財の)ひきだし!国語編

大人でも思わず引き込まれるおもしろ知財エピソード集です。 小学生から高校生までを対象に幅広くご利用ください。

テーマ:青空文庫とTPP

Keywords青空文庫、底本、著作権の存続期間、TPP
法域著作権法
教科国語(現代文)

青空文庫というサイトをご存じでしょうか。日本語作品を中心として、著作権フリーになった作品をボランティアでテキストデータに変換し、サイトで無料公開しているサイトです。日本では、死亡翌年の元旦から50年経った作家や詩人の作品は著作権フリーです(1970年以前は死後30年でした)。青空文庫に掲載されている有名作品は、たとえば、夏目漱石、芥川龍之介の作品、外国からもエドガー・アラン・ポー(世界初の推理小説の作者)の和訳などがあります。 青空文庫では、著作権フリーになる時期までに底本を集めておき、著作権が切れたものから順に、ルビを振る、キーボードで打ち込むなどの作業を行って、質の高い文学をスマホやパソコンで利用しやすい形でサイト掲載しています。さらに、インターネット読み上げソフトを使用することで、目に障害のある人でも気軽に文学作品を楽しめます。ところが、2014年5月、TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)の協議の中で日本政府は著作権の保護期間を「個人の場合は死後70年・法人の場合は公表後95年」に延長するよう要求されたとの報道がありました。これが実現すると、場合によっては青空文庫に現在収録されたうちの、半分程度の本が消え去り、また、以後20年間は全くボランティア作業が続けられず、更新もされないサイトということになりかねません。青空文庫では、そのような事態にならないよう政府に働きかけています。

http://www.aozora.gr.jp/(青空文庫サイト)(履歴情報)
2015/03/24 掲載